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待ったなし!グリーン・トランスフォーメーション 経団連・十倉新会長に聞く
NHK
2021年6月2日 午後1:05 公開

6月1日、住友化学会長の十倉雅和さんが経団連の新会長に就任しました。目指すのは「グリーン・トランスフォーメーション」です。どう進めるのか、戦略を聞きました。

温室効果ガス削減へ「イノベーションを」

十倉会長が掲げる「グリーン・トランスフォーメーション」は、温室効果ガスを出さない社会へと転換を進めることで、経済を変革し、成長につなげていくというものです。

経団連 十倉雅和会長

地球温暖化。これを何としても食い止めて、サステイナブルな地球を次の世代に残さないといけない。産業は新しい技術を開発して、設備投資も研究投資も行って、グリーン・トランスフォーメーション、カーボンニュートラルは石にしがみついても実現しないといけない

十倉会長はこの取り組みをみずからの会社で率先して進めることで、リーダーシップを発揮したいと考えています。愛媛県新居浜市の化学工場では、燃料を石炭から天然ガスに替え、会社全体のおよそ1割に当たる年間70万トンの二酸化炭素削減を目指しています。

さらに、革新的技術の開発も。さまざまな成分が混ざった排ガスから二酸化炭素だけを分離、回収する装置の開発を進めています。実用化すれば、発電所などでの発電の効率化や二酸化炭素の排出削減につながるといいます。

十倉会長

産業界みな共通で、自分たちで減らす分と、日本は科学技術立国だからイノベーションをおこして日本の炭酸ガスを減らす。特にそれは化学企業では大きく求められていると思う

再エネ拡大 原子力は「議論を」

国は、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標を引き上げ、2013年度に比べ46%削減することを表明しました。この達成に向け十倉会長は、太陽光など再生可能エネルギーの拡大と、国民の間でも議論がある原子力の利用について言及しました。

十倉会長

平地が少ない日本でこれ以上太陽光を増やすのは、なかなか大変。再生可能エネルギーを高めてそれに全部置き換えられればいいが、足りないところがどうしても出てくる。そういうところは、原子力の活用もやっていかないといけない

原子力は冷静な議論をすべきだと思う。議論しないというのは、いちばんだめ

経団連は「経済、産業界だけの利益追求ではだめ」

経団連にいま求められていることは何か。十倉さんは、社会課題と向き合い、国際協調を重視することだと言います。

十倉会長

これからの経団連は、経済界、産業界だけの利益のためではだめだ。経済学とか経営は人々を豊かにするためにやっているから、そういうところの原点に戻って。そうすることが、社会から認知もされるし、経団連としての発信力も高まる

経団連では、中西前会長が任期途中で退任し、十倉会長が抜てきされました。化学メーカーは二酸化炭素の排出が多く、対策に取り組んできた実績がある十倉さんに、経済界全体のかじ取りも託した形です。技術でイノベーションをおこし、社会の課題も克服するという新会長の指導力に期待したいと思います。

【2021年6月2日放送】

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