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三味線存続へ “次世代を取り込め”

NHK
2021年5月18日 午後2:33 公開

新型コロナウイルスの影響で、各地の祭りや伝統芸能の舞台が相次ぎ中止に。三味線を作るメーカーは、新規の注文などが途絶えて厳しい状況です。生き残りをかけ、若い世代の取り込みを模索しています。

三味線最大手 コロナ禍で一時“廃業宣言”

東京・八王子にある、136年続く国内最大手の三味線メーカー「東京和楽器」。もともと生産数が減少傾向にあった中、コロナ禍が直撃し、1年前に一度は廃業を宣言。しかし、伝統文化を守りたいと願う人たちから寄付などの後押しを受け、存続を決断しました。

とはいえ、厳しい状況は変わっていません。大瀧勝弘代表は「これからどうするか、いちばん大事な時だと思う。みんなでどうやって生き延びていけるか」と語ります。

アニメやバンドが人気 じわり関心広がる

明るい動きもあります。4月から三味線をテーマにしたアニメ「ましろのおと」の放送が始まり、新たに興味を持つ人が増えています。和楽器とロックを融合させた新しい音楽グループ「和楽器バンド」も人気で、三味線に若い世代が注目し始めています。

東京都内の三味線教室では、体験レッスンの申し込みが増加。2か月前から習い始めた稲福旭くん(6)は、弾くのが「楽しかった」と話します。主宰する山中裕史さんによると「ちょっと私もやってみたいとか、どういうふうに演奏するんだろうと興味を持つ方が多い」ということです。

“軽い”初心者向けを開発 「ヒット商品に」

メーカーの東京和楽器は、こうした動きを追い風に三味線のすそ野を広げようと、新たに“初心者向けの三味線”を開発しました。

軽い杉の木を素材に使うことで、重さを従来の半分に。子どもが弾くのにちょうどいいそうです。表面に傷がつきにくいようアクリル板を貼り、修理の回数も減らせるようにしました。三味線の販売店の反応も上々で、手応えを感じています。

大瀧代表は「頑張って、小売屋さんのためにも、この業界のためにも、絶対にヒット商品にしないといけない」と話し、新商品で会社の存続を図りたいと考えています。

若い人が使わなければ、伝統的な楽器の存続は難しくなります。国は2021年度から、三味線などの和楽器を買い上げ、大学などの部活動に無償で貸し出す新たな事業を開始。利用のすそ野を広げようとしています。

(経済部 記者 長野幸代)

【2021年5月18日放送】