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“昼の仕事”へ 転職を支援

NHK
2021年9月24日 午後0:30 公開

長引くコロナ禍で営業時間や酒の提供などの制限が続く中、キャバクラやクラブといった夜に営業する飲食店も大きな打撃を受けています。そうした場で働いてきた女性たちの転職を支援しようというビジネスのニーズが高まっています。

「接客で培ったコミュニケーション能力は強み」

東京都内にある人材紹介会社「ゼロベータ」は5年ほど前から、接待を伴う飲食店などに勤める女性に特化して転職を支援しています。

コロナ禍の中で問い合わせの数は以前のおよそ2倍に上っています。取材した日も、転職を希望する女性とオンラインで面談し、勤務する曜日などの希望について聞き取りを行っていました。

社長の日詰宣仁さんは、これまで300人以上の転職をサポートしてきました。接客で培ったコミュニケーション能力は転職において強みになるといいます。

日詰さんは「彼女らは気づいていないが実はすごい武器。経験が生かせる仕事はあるし、『自信を持っていっておいで』とアシストする」と話します。    

「安定的な収入得るには“昼”」 トップセールス目指す女性

転職した一人の角田亜里紗さん(30)は、働いていたキャバクラが新型コロナの影響で休業し、ことし2月に不動産関係の会社に転職しました。

角田さんは「夜は夜でいろんな経験も得られたが、安定的な収入を得るのには昼の仕事が間違いないのかなと思った」と話します。

もともと明るい性格で人と話すのが好きだったという角田さん。接客マナーが生かせる営業部門に配属され、今では投資用物件の販売などを任されています。

取材した日、角田さんは上司の河野良平部長と打ち合わせをしました。「お客さんに提案すれば喜んでいただけることは何かある?」との部長からの問いに、「老後の年金対策で(物件を)持っていただいたほうが不安なく生活できるのではないか」と意見を述べていました。

河野部長は「思いやりある気持ち、聞く力。彼女にしかできない個性を全面的に打ち出して頑張ってもらいたい」と期待しています。

角田さんは、転職をきっかけに宅建の勉強も始めました。資格を取得することで、より客の信頼を得られる存在になりたいと考えています。

角田さんは「社会への貢献と会社への貢献も含めてトップセールスレディーになれたら」と目標を語りました。

デジタルスキル教育にも力

この人材紹介会社に求人を登録する企業は、現在およそ300社に上ります。中でも最も多いのがIT業界です。

会社では、IT業界への転職を希望する人を対象にエンジニアによるマンツーマンの講習を週に1度無料で開催するなど、デジタルスキルの教育に力を入れています。

日詰社長は「デジタルスキルとコミュニケーションスキルを身につければ“鬼に金棒”。昼の仕事で当たり前に活躍できる世の中をわれわれが推進していくことで、ビジネスとして発展するし、女性のサポートにもなる」と話しています。

“昼の仕事”への転職を支援する会社は他にも増えてきていて、最近は男性の転職を支援するサービスもあります。コロナ禍が長引く中で、新たな道を歩む人が増えていくのかもしれません。

(映像センター カメラマン 小川原裕史)

【2021年9月24日放送】

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