ニュース速報

“ジェンダーレス”へ 変わる販売戦略

NHK
2021年8月31日 午後1:41 公開

消費者のライフスタイルが変化し、多様性への意識も高まる中、男女の性別を問わない“ジェンダーレス”へ、企業の販売戦略が変わり始めています。

「美容家電」を男性にも 性別問わない販売戦略

パナソニックが展開している「美容家電」。価格は他社の製品より高めですが、髪の毛や肌のつやを傷めないよう性能を向上させた商品だといいます。これまでは女性をターゲットに販売戦略を打ち出してきました。

このメーカーは、1990年代に放映したテレビCMで「きれいなおねえさんは、好きですか。」という斬新なキャッチフレーズの広告が話題を集めるなどして、売り上げを伸ばしてきました。

コンシューマーマーケティングジャパン本部の神本暁マーケティングマネージャーは「当時のコンセプトで言うと、男性目線から見た女性の美しさ。いま見るとだいぶ時代錯誤のところがあるが、当時は美容家電を表す時の1つのコンセプトとして成立していた時代だった」と話します。

しかし最近会社が行った調査で、主力商品のドライヤーの購入客は、およそ3割が男性だったことが分かりました。そこで9月から、性別を意識しない販売戦略に改めることにしました。

まずブランドのロゴを、女性を意識して設定した「明るいピンク」から「白」に変更。そして店頭に展示する商品も、これまでのショッキングピンクではなく、濃紺や白といった色を前面に押し出すことにしました。女性でも男性でも手に取りやすい色にしたといいます。

神本マーケティングマネージャーは「女性だからピンクということではなくて、ネイビーが好きな方、白が好きな方ということで、性に限らず、一人一人の個性に合ったものをお届けしていく」と話します。

男女兼用にブランドを一新 売り上げ3割増

すでに男女を問わない商品開発を行って、業績を伸ばしている企業もあります。生活雑貨や衣料品などを展開する無印良品は、東京・港区の店舗で売り場の一角をすべて男女兼用の商品にしています。

男女の性別にとらわれないジェンダーレスの高まりを受け、2年前に既存のブランドの一つを男女兼用に一新しました。

このブランドのシャツやジャケットは、男女どちらが着てもなじむシンプルなデザインを採用。さらにサイズも、体格が違う男女が着ても違和感がないよう、肩幅や袖にゆとりを持たせるようにしました。

すると、若い世代のニーズを捉えて売り上げはおよそ3割増加。会社では、秋冬のセーターやダウンコートなど男女兼用の商品を増やしていくといいます。

無印良品を展開する良品計画の山内良介さんは「女性客が多いので、女性が本当に買っていただけるのか不安はあった。(結果は)女性からも男性からも支持を得て、男女、年齢を問わずお買い上げいただいている」と話しています。

ジェンダーレスの対応は、ほかにも、ランドセルや制服などさまざまなところで始まっています。真珠のネックレスの販売に男女両方のモデルを起用して、性別を限定せずに販売する動きも出てきています。

(大阪局 記者 谷川浩太朗、経済部 記者 保井美聡)

【2021年8月31日放送】

動画はこちら