わが社の技術を防災に

NHK
2022年1月17日 午後1:04 公開

阪神・淡路大震災が発生した1月17日は「防災とボランティアの日」でもあります。得意分野で磨いた自社の技術を防災製品に生かせるのではないかと、新たな発想で取り組みを始めた企業があります。

航空機部品などの組み立て技術 簡易ベッドに応用

ロケットや航空機の主翼や胴体を組み立てている会社「東明工業」。いま手がけているのが、避難所などで使われている簡易ベッドやトイレです。

航空機やロケットの組み立てでは「軽量化」と「強度」の技術が重要です。その技術を生かした独自の設計で簡易ベッドを開発し、軽量化と耐荷重3トンという高い強度を実現しました。保管する時は小さくまとめられます。   

この会社は5年前から防災製品を手がけるようになりました。部品の輸送用に使っている強化段ボールと航空機部品の組み立てで培った技術を応用して、軽くて耐久性のある防災製品が開発できるのではないかと考えたのです。

さらに石灰石などを使った素材も採用し、耐久性に加え防水性も上げて、洗える製品を開発しました。

この会社では新型コロナの影響で旅客機の仕事が激減しました。それを補うために防災製品を主力事業の一つにしていこうとしています。 

ロジスティクス事業部の坂下純也部長は「高い安全性を維持してものを作る。そういうマインドが生かされている」と話しています。

「通電火災」を防ぎながら照明を消さないシステムを

一方、住宅設備の会社「エコミナミ」は、地震の揺れを感知して自動で電気を止める感震ブレーカーを開発しました。

地震で停電したあと再び電気が流れる際には「通電火災」が起きるおそれがあります。その被害をなくすために感震ブレーカーが有効だとされていますが、普及はなかなか進んでいません。

感震ブレーカーの難点は、夜に地震が起こると部屋が真っ暗になってしまうことです。会社の佐藤央社長は「通電は止めるけれども照明は落とさないシステムを作っていくことが必要」だと考えました。

そこで2021年12月に販売を始めたのが、バッテリー内蔵のLED電球です。ブレーカーが揺れを感知して電気が止まっても、瞬時にバッテリーに切り替わり照明が消えません。

さらに、この電球は握るだけでスイッチが入り懐中電灯のようにも使えます。およそ6時間の点灯が可能だということです。

佐藤社長は「快適性や省エネ性をテーマにものを作ってきたが、付加価値としてこういうこと(防災)があるんだと思った。ふだん使いの延長線上に防災があればいい」と話します。

取材した2つの会社はいずれも、航空機や飲食店向けの設備といった主力の仕事が減る中で、防災分野への応用に目を向けました。企業は自社のさまざまな技術やノウハウに日々磨きをかけています。こうした技術を災害への備えにどんどん応用してほしいと思います。

【2022年1月17日放送】