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飲食店“ロボットで働きやすく!”
NHK
2021年4月28日 午後12:15 公開

飲食店の仕事は、調理や洗い物、接客などに並行して対応しなければならず、厳しい現場もあります。ロボットで飲食業界の働き方を変えようと、ベンチャー企業が挑戦を続けています。

「そばロボット」導入で接客に集中

千葉市内の駅の中にあるそば店。昼どきに調理場をのぞいてみると、アーム型のロボットがフル稼働していました。ケースに入ったそばを持ち上げて、ざるに投入。すぐさまもう一つのアームが、お湯の中へ運びます。さらに湯切りをし、冷水の中に入れて締めるまでを一手に担います。

店員は、ゆでたそばにつゆをかけ、具をのせて提供。1時間150食を作れるようになり、ゆで時間も均一になりました。ロボットの導入でピーク時の従業員数は3人から2人になりましたが、以前より接客サービスに時間が割けるようになったといいます。

この店を運営する「JR東日本クロスステーション」そば営業グループの渡邉淳さんは「ゆでる行程から従業員が解放されたので、フロアに出て拭き掃除をするなどの作業に集中できるようになった」とメリットを話します。

飲食業界から転身したロボット開発者

この「そばロボット」を開発したのは、東京都内のベンチャー企業「コネクテッドロボティクス」。代表取締役の沢登哲也さんは東京大学でロボット工学を学んだあと、祖父母が営んでいた飲食店へのあこがれもあって飲食業界に就職。将来、事業を立ち上げる夢を抱いていました。

しかし、いざ飲食業界で働いてみると、長時間労働で非常に大変な仕事だと痛感しました。「食産業ではあらゆる分野がテクノロジーにとって手つかずで残っていた」と感じた沢登さんは、働きやすい環境を整えたいと飲食店向けのロボット開発を決意しました。

3年前に初めて開発した「たこ焼きロボット」は、AIが焼き色を確認しながら作ります。また「ソフトクリームロボット」は、見ていて楽しくなるデザインに仕上げました。

従業員1人で店を賄えるロボットを

新型コロナの感染が拡大する前、飲食業界では人手不足が課題でした。沢登さんが今、力を入れているのは、従業員1人で店を賄えるロボット技術の開発です。2月に開かれたフードサービスの展示会に、そば店の新しいシステムを出展しました。

このシステムでは、天ぷらを調理するアーム型ロボットや、トッピングを識別して支払額を表示するレジ、ごはんやタレの汚れに合わせて洗い方を選ぶロボットまで開発しました。実用化は早ければ2022年を目指しています。

沢登さんは「食産業もロボット化、IT化しなければいけない。これは来るべき未来だと思っている。働く人が、ロボットがなければやっていけないと思うぐらいいいものを作りたい」と話しています。

沢登さんは「ロボットが、働く人の負担を軽減し、その分接客に力を入れられるようになれば、お店の価値も上がる」と、コロナ後を見据えて開発を続けています。冒頭の「そばロボット」は月額25万円で貸し出されているということです。

【2021年4月28日放送】

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