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脱炭素時代のクルマ モーターを世界に売り込め 日本電産

NHK
2021年11月12日 午後2:15 公開

脱炭素時代の車を代表するEV(電気自動車)。その動力源はガソリン車のようなエンジンではなくモーターです。その大手・日本電産は、EV時代の到来をにらみどう動くのか。経営のかじ取りを担う関潤社長に戦略を聞きました。

EVシフトは「非常にチャンス」

関社長は、EVに力を入れる日産自動車で生産に関わり、ナンバー3の副COOにまでなった経験を買われて2020年に日本電産のトップに招かれました。EV時代の到来に「EV化が加速するとモーターが多くなる。非常にチャンス」と意気込んでいます。

自動車業界を熟知する関社長は、会社のさらなる成長をけん引するのは「EVシフト」だと見ています。

関社長

とにかく今までエンジンという部分が、非常に投資がかかるし技術的にも難しい。それがモーターになることによって外からエントリーしやすくなっているので、われわれはお客さんにこだわらず、あらゆる『EVをつくりたい』という客にしっかり提供していくつもり

EV専用部品 量産化で需要増の好循環ねらう

滋賀県愛荘町にある研究施設では、EV専用の部品の開発が行われています。取材では担当者が「弊社が量産をしているトラクションモーター『イーアクスル』といいます」と説明してくれました。

モーターやギヤなどを一体化したこのシステムには、会社が長年培ってきた小型化や緻密な制御技術を惜しみなくつぎ込んでいます。

年々投資を拡大し、これまでに20万台を生産。今後、EVが増えれば量産効果でモーターの製造コストが下がる、するとEVの価格が下がってさらに需要が増える、という循環が生まれる時期は遠くないと言います。

関社長

われわれは2025年を“分水嶺”と言っている。その大きな理由は値段。バッテリーもそうだし、われわれが対応しているモーター、そういったEVのコンポーネント(部品)の値段がどんどん下がっていくので、ともすれば一般のガソリンエンジンの車よりも安くなってくる。そうすると需要が一挙に拡大すると見ている

最大市場・中国に工場建設 急速なEV化に「ついていく自信ある」

関社長が需要拡大の起点になると見ているのが、世界最大のEV市場の中国です。新興のEVメーカーが続々と誕生しています。会社は20年、浙江省に工場を建設しました。

ガソリン車からEVへの急速な変化。関社長は、まずは中国企業などのスピード感に対応していくことが主要プレーヤーになるカギだと見ています。

関社長

典型的な日本のジレンマだと思うが、ある刹那で見ると圧倒的に優れている。優れているがゆえに次のステップへの踏み出しが遅れてしまう。パソコンもそうだし家電もそうだった

(変化の)スピードについていく自信があるので、その辺もわれわれにとってはチャンスになると思う

EVは技術的に難しいエンジンを積まなくていいため、他業種からの参入が比較的容易です。日本電産も自動車メーカー以外から「話を聞きたい」「取り引きしたい」という相談を多く受けているということです。

(京都局 記者 柴田明宏)

【2021年11月12日放送】

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【関連番組】NHKスペシャル「EVシフトの衝撃」11月14日(日)午後9:00放送

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