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“リモート接客”がかなえる 多様な働き方

NHK
2021年9月3日 午後1:40 公開

コロナ禍でテレワークなど多様な働き方が広がっていますが、IT技術を活用した遠隔操作による接客が、育児中の人や障害のある人の働き方も大きく変えようとしています。

“アバター接客”で育児と仕事の両立を

東京・表参道にあるショッピングセンター、その女性下着売り場の試着室ではアバター(分身)が接客しています。

画面に映し出されたキャラクターが、「バストサイドすっきり」「背中すっきり」といった客の要望を聞いて、「すっきり見えるので、そのようなものがおすすめ」などと商品を提案。話しづらい体形などの悩みも気軽に相談できると、幅広い世代のニーズを取り込んでいます。

実はこのキャラクターを操作しているのは、離れたオフィスにいる販売員です。売り場に行かなくてもきめ細かな接客ができるため、社員が仕事と家庭を両立するのに役立つと期待されています。

操作している販売員の一人、樋口宏実さんは、これまでの働き方は「売り場や時間に縛られがち」とし、「私たちの働き方も変わる」と期待しています。

この接客を行っているワコールの女性販売員はおよそ3500人。結婚や出産を理由に辞める人も少なくありませんでした。

会社ではこのシステムを活用することで、キャリアを積んだ女性たちが育児をしながら働けるようにしたいと考えています。

下山廣執行役員は「皆さんが生き生きと仕事に向き合ってくれるだろうし、仕事を続けられるのはいちばんのメリット」と話しています。

障害のある人 ロボットで接客

障害のある人の働き方も、ロボットが大きく変えています。東京都内のベンチャー企業が運営しているカフェでは、ロボットがコーヒーを入れたり運んだりと、さまざまな仕事を担っています。

取材した日にテーブルで客の注文をとっていたロボットは、福岡から遠隔で操作していました。

東川結さんは、脳性まひで幼いころから車いすで生活しています。人と話すことが好きで、接客業をしたいと考えていました。車いすでは難しいとあきらめていましたが、このカフェと出会い、週4回仕事ができるようになりました。

東川さんは「私にも接客業ができるんだ、ということで、すごく気持ちが晴れやかになった。すごく大きな変化をもたらしてくれた」と話します。

広がるロボット接客  「新しい就労機会を」

障害のある人が動かす接客ロボットは、1200店以上を展開するハンバーガーチェーンでも導入が検討されています。

モスフードサービスの笠井洸執行役員は「新しい就労機会を提供できる。積極的に進めていきたい」と話しています。

いま全国では、60人以上の障害のある人が接客ロボットを活用して働いていて、活躍の場は会社の受付などにも広がっています。場所を選ばない働き方が可能となることで、さまざまな人が職場に集うダイバーシティーが進んでいくことにつながればと思います。

(おはよう日本 ディレクター 三宅響)

【2021年9月3日放送】

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