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もうレストランに行かない!?

NHK
2021年10月21日 午後1:16 公開

アメリカでも苦しい状況が続く飲食業界。業界団体が8月に実施した調査では、新型コロナの変異ウイルスの影響もあり、5人に1人が「レストランに行くのを完全にやめた」と回答しました。飲食店はどんな状況に置かれているのでしょうか。

売りは十分な距離 “屋上レストラン”登場

アメリカの首都・ワシントンの中心部ではマスクを外して歩く人の姿も見られ、一見、日常を取り戻したようです。

ただ、感染リスクを避けようと、今も外食を控える人が多いのが現状です。客が戻らず苦しい状況が続く飲食業界では、経営を何とか維持しようと多くの店が試行錯誤を続けています。

ワシントン郊外にあるレストランは、大型商業施設の屋上に客席を設けました。売りは、市内でも最大規模という広いスペースを活用したレイアウトです。十分な距離を取りながら食事ができるとアピールしています。

客の一人は「ほかの人の近くに座らない。ここは広いので快適」と話しました。

集合住宅に自販機常設で需要取り込む

店内での飲食ができるようになっても、持ち帰りに力を入れる店もあります。市の中心部にあるイタリア料理店は、テイクアウト人気が今も根強いと見て、自動販売機を使って需要を取り込む工夫をしています。

自動販売機は日本円でおよそ160万円かけて業者に特注しました。集合住宅のロビーに設置し、店で作ったソースやデザートなどを販売しています。

利用客の一人は「とても便利。ここに降りてきて買って戻れば、すぐに調理することができる」と話しました。

店のオーナーは「来年の春には新たな自動販売機を設置する予定」としています。

頼みの綱の支援 予算枯渇で行き渡らず

こうした模索が続けられていますが、多くの飲食店には国の支援が届いていません。バイデン政権は3月、飲食店向けに3兆円規模の財政支援を打ち出しましたが、申請が殺到して予算が枯渇しました。

さらに、議会では巨額の財政支出計画をめぐって与野党の駆け引きが激化していて、追加の予算措置が後回しになる可能性が出ているのです。

ワシントン市内で営業しているラーメン店も、支援をいまだに受け取っていません。同じグループのほかの店を含め客の数が以前の水準に戻らず、赤字が続いています。どの店も経営が苦しい中、国の支援を受けられるかは死活問題です。

苦境がいつ終わるか見えない中、新たなメニューを作るなど努力を続けるしかないといいます。

店のオーナーは「毎日『危ない、危ない、危ない』と思ってやっている。その危機感は変わらない。あしたはどうなるのか状況を見て対応していく」と話しました。

アメリカでは、飲食店の利用者にワクチン接種の証明書の提示を義務づける動きも出ています。しかし、社会が完全に正常化するにはまだ時間がかかりそうです。日本もそうですが、コロナ禍に苦しむ飲食業界をどう支えていくかが課題となっています。

(ワシントン支局 記者 根本幸太郎)

【2021年10月21日放送】

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