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コロナ禍で再注目 “仕事の教科書”

NHK
2021年5月17日 午後1:25 公開

10年前に発行され、累計56万部が売れている本「入社1年目の教科書」。新型コロナの影響が広がった2020年は前の年の1.5倍に売り上げが伸びました。その理由は?

リモートワークの普及で新入社員教育の指針に!?

この本には、入社1年目の新入社員に身につけてほしい3つの原則が書かれています。

原則1頼まれたことは、必ずやりきる

原則250点で構わないから早く出せ

原則3つまらない仕事はない

そして、この原則を仕事で実践するための心構えや行動が、50項目にわたって挙げられています。

よく耳にする言葉もありますが、なぜそれが仕事に必要なのか、具体的なエピソードを交えて説明されています。

この本を毎年、新入社員に配布しているという会社の採用担当者は、新型コロナの影響でリモートワークが増える中、一層役に立っているといいます。

採用担当・澤悠介さん

「コロナ禍でテレワークになると、近くに上司がいないとか、相談したい時に聞ける人がいないということは起きてくる。その時に、今自分が何を求められているのか、どんな成長をしていかないといけないのか、(本を読むことで)セルフマネージメントをする力がつく」

この本の著者は岩瀬大輔さん。執筆当時はライフネット生命の副社長を務めていました。新入社員に自分の経験を伝えようと、この本を書いたといいます。

コロナ禍の今、岩瀬さんが特に重要だと考えているのが、原則250点で構わないから早く出せ」です。「仕事は総力戦」であり、リモートワークでも一人で抱え込まずに、早めに上司や先輩の力を借りることが、質の高い仕事につながるからだといいます。

著者・岩瀬大輔さん

「試験とか宿題だったら、ほかの人の力を借りず自分でできるだけ100点に近づけようとする。仕事は学校の試験ではないので、どれだけたくさんの人の力を借りて、よりお客様に喜んでもらえるものをつくるかだと思う」

そして、新型コロナの影響で従来のように対面で仕事をすることが減ったからこそ、離れた人と力を合わせながら仕事をしていくことも大切になると強調しました。

増える中高年読者  “教科書”人気は働き方の変化を象徴?

この本を出版したダイヤモンド社によると、最近、読者層に変化が起きています。購入者から届いた「読者カード」を見ると、若者だけではなく、50~60代の中高年の読者が増えているというのです。

書籍編集局・和田史子さん

「『心機一転、もう1回仕事の基本を学びたくて買った』とか、『再雇用の時に』読まれるケースがある。大切にしたいことというのは、世代を超えても、時代を超えても、変わらないものなのかなと思う」

リモートワークに加え、この1年は出向や副業なども広がって働き方が大きく変わりました。中高年も定年延長や再就職など、次の仕事人生を考える人が増えたと思います。そうした人たちが、この本を手にしているのではないでしょうか。

【2021年5月17日放送】