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釣った魚が地域通貨に!地方経済を盛り上げろ

NHK
2021年10月4日 午後0:34 公開

「地域通貨」は「地域限定で使えるお金のようなもの」。自治体や金融機関などが電子マネーなどの形で発行しています。この地域通貨を“地域の外の人”にも使ってもらうことで消費を盛り上げようという取り組みが始まっています。布施谷博人キャスターが静岡県西伊豆町で体験した、その珍しい仕組みとは?

釣った魚 地域通貨で買います

訪れた静岡県西伊豆町は伊豆半島の西側に位置しています。町内ではおよそ10隻の釣り船が運航していて、駿河湾で手軽に海釣りができる場所として人気です。

この町では「釣り」と「地域通貨」を結び付けた珍しい取り組みが行われています。

町が2020年に発行を始めた地域通貨「サンセットコイン」で魚を買い取るのです。地域通貨の単位は「ユーヒ」。町の夕日がきれいなことにちなんで名付けられました。1ユーヒは1円相当です。

釣った魚を港の目の前にある直売所に持ち込むと、その日の市場価格で買い取ってくれます。

代金の地域通貨はスマートフォンのアプリで受け取ります。取材した日に持ち込んだのは計5匹。このうち「メイチダイ」という魚は1224ユーヒで売れました。このほかイサキ4匹を売り、全部で1537ユーヒになりました。

釣り客の中には、たくさん釣れた魚を持ち帰っても食べきれないという人も多いそうです。そうした人が釣れすぎた魚を売って地域通貨に換えれば、その場で買い物に使えます。

持ち込んだ魚は直売所ですぐに販売されます。利益を乗せても売値は通常より3~4割ほど安く、買い物客にもお得だといいます。

温泉や飲食店130店 「地元で消費を」

町がこの取り組みを始めたのは、釣りが終わったらすぐに帰ってしまう人たちに地元で消費をしてもらおうという思いからでした。

西伊豆町役場の農林水産係の松浦城太郎さんは「釣りだけではなくて町の中に入ってきていただいて、観光分野なり、おみやげにお金を落としてくれる仕組みがあるといいなと常々考えていた。まさにそれが実現できたので、すごくあとの流れは期待している」と話しています。

この地域通貨が使える場所は、日帰り温泉や飲食店などおよそ130店。店側もこの取り組みに期待を寄せています。

ある飲食店の店主は「釣りを好きな方たちも、ファミリーで旅行を楽しむ目的でも、ぜひ(地域通貨を)利用してこちらに足を運んでいただけるといい」と話しました。

限定商品が買える地域通貨も

地域通貨で消費を増やそうという取り組みには、ほかに岐阜県高山市の信用組合が運営する「さるぼぼコイン」もあります。

地域通貨でしか買えない限定商品を販売していて、「飛騨牛の希少部位」や「幻の純米大吟醸」などをそろえ、訪れる人を増やすきっかけにしようとしています。

地域通貨の発行が増えれば地域のお金の回りがよくなり、経済が上向く可能性があります。いろいろ工夫のしがいがありそうです。

【2021年10月4日放送】

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