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お口の健康 “予防”にビジネスチャンス

NHK
2021年7月26日 午後0:05 公開

虫歯に口臭、歯周病。口くうケアを怠ると、糖尿病や心疾患につながるおそれも指摘されています。口の中を健康に保ち、予防につなげる製品が続々登場しています。

口の中の細菌 スマホで“見える化”

東京のベンチャー企業「mil-kin」が開発したのは、口の中の状態を、スマホを使いながら簡単に確認できる製品。スマホのカメラをオンにして機器にセットし、特殊なレンズを使って歯こうを撮影すると、画面には1000分の1ミリほどの細菌が映し出されます。

動く細菌の様子に「自分で泳いでいる。これが全部、口くう内細菌」と説明する担当者。細菌が多いと、歯周病や虫歯のリスクが高まっているサインになるといいます。

歯磨きやうがいの重要性を歯科医院に来院した人に分かってもらおうと、2年間で1000を超えるクリニックがこの製品を導入しているそうです。

ベンチャーの代表・狩野清史さんは「まさか自分の口の中に菌がうようよいるとは思っていない。そこを“見える化”している。予防歯科に少しでも貢献できれば」と話しています。

歯磨きしながら口臭チェック

家庭で歯磨きをしながら、手軽に口の中の健康状態が確認できる製品もあります。5月に販売された電動歯ブラシは、持ち手の部分にセンサーを内蔵。息を吹きかけると、臭いのもととなる細菌が出す特有のガスなどを検知し、その濃度を色で表示します。

色が緑なら「良好」。紫になると「要注意」で、細菌などで口の中が汚れている可能性があるそうです。さらにアプリと連動させれば、口臭が100点満点で数値化されます。

蓄積されたデータは、月額858円で歯科医師などがチェック。ケアの方法などをアドバイスしてくれます。

開発した歯科医師の竹山旭さんは、ベンチャー企業「NOVENINE」を立ち上げ、この歯ブラシを実用化させました。「なかなか定期的にメンテナンスに歯科医院に来られない。そこをわれわれの製品やサービスが補完できる。関心度が高いから、チャンスがあると思っている」と話します。

口の中のデータ使い新サービスを 大手保険会社が検討

さらに大手保険会社の第一生命が、この歯ブラシを使った新たなビジネスを模索し始めています。保険業界は今、病気を未然に防ぐための新たな保険プランに力を入れていて、この会社でも、口の中のデータから利用者の健康状態を読み取るなどして新たなサービスに生かせないか、検討を始めています。

担当者の小沼亮太さんは「何か起こってから補償するというところだけでなく、未然に病気を予防、早期発見するサービスに広げていきたい」と話しています。

歯周病に悩まされている人や心配な人は多く、口くうケア、口臭予防のニーズは大きいと見られています。新型のスマート歯ブラシやケア商品の市場規模は、4000億円にもなると言われています。

(経済番組 ディレクター 高林昭裕、大阪放送局 記者 甲木智和)

【2021年7月26日放送】

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