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半導体不足 医療機器も直撃

NHK
2021年9月17日 午後0:55 公開

半導体不足の影響が、人の命に関わる医療機器の製造現場にまで及んでいます。何が起きているのでしょうか?

「新車の納期が全く言えない」

福岡市にある自動車販売会社「福岡自動車整備」では、顧客が新車を注文してもすぐに買えない事態が起きています。

山口雄二社長は「(2021年の)8月オーダーで、納車がうまくいけば(22年)2月の初旬前後という感じまで遅れている」と話します    

 新車が届かない理由は、半導体不足で自動車がつくれないためです。山口社長は「納期が全く言えない状況で、非常にユーザーさんにも迷惑をかける」と困惑しています。    

医療機器用の半導体も不足「日本に在庫がない」

半導体不足の影響は、私たちの命を守る医療現場にまで及んでいます。福岡市の商社「八洲産業」では、病院の集中治療室などで医療機器の電源が落ちないよう制御するシステムに使われる半導体を扱っています。

この半導体は自動車や産業機器にも使われ、確保が難しくなっているといいます。

常務取締役の田島一義さんは「今まで経験した中では、いちばん大きな納期のトラブルが発生している」と話します。

この会社では、医療機器の関連会社から8月末までの納期で750個の半導体の注文を受けていました。しかし製造する日本のメーカーに注文したところ、12月まで時間がかかると言われました。

田島常務は「普通はありえないことだが、それだけ日本に在庫が全くない」と現状を語ります。

社内には、アルゼンチンやインドなど外国人の社員がいます。さまざまな言語を使って人海戦術で世界中の企業をあたりました。

その結果、フランスの商社が「ルネサス(日本メーカー)の商品が納入できます」と応じ、在庫を持っていることが判明。何とか必要な750個の半導体を確保できました。

仕入れ価格は通常の5倍もしましたが、背に腹は代えられず購入しました。

ただ、納入待ちの半導体はまだまだ大量にあります。田島常務は「年が明けたらもう何も心配がないような状態を望んでいる。いろんなところに支障が出てくると思うので、大変だ」と話しました。

偽物や模倣品のリスクも

半導体がなかなか手に入らない中、家電メーカーなどが偽物の半導体、模倣品をつかまされるリスクも広がっています。

半導体製品の検査や評価、分析などを行う「OKIエンジニアリング」では、模倣品の相談が急増したため、6月から真がん判定サービスの依頼を受け付けています。全国から依頼が相次ぎ、すでに200件近くに上っているといいます。

高森圭事業部長は「模倣品の可能性があるものを含めると、3割の懸念部品がある」と説明。模倣品を使うと「部品が著しく発熱して発煙発火につながるようなトラブルが懸念される」と話しています。

(福岡局 記者 平山明秀)

【2021年9月17日放送】

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