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バッテリー技術で“走るだけではない”EVを
NHK
2021年3月29日 午後12:31 公開

バッテリー研究30年以上の技術者が設立した、従業員17人のベンチャー企業。独自の技術でバッテリーの性能を向上させ、便利な機能を付け加えた電気自動車で、EV市場に挑んでいます。

出前に便利?ヒーター・クーラー付きEV三輪車

2月に、国内で販売が開始された商用の三輪の電気自動車。1回の充電で120キロ走ることができるといいます。

この車を販売するのは、2年前に設立された北九州市のベンチャー企業「EVモーターズ・ジャパン」。従業員17人の半分が技術者です。

走行距離をのばすためにこの会社が開発したのが、バッテリーをコントロールする特殊な装置。車が加速したり、坂道を上ったりする際には電力を多く使いますが、コントローラーがバッテリーの消費を抑え走行距離をのばします。

バッテリーは充電を繰り返すうちに劣化しますが、この装置が電流をコントロールして耐用年数をのばすことができるといいます。

バッテリーが長もちする分、荷台にヒーターやクーラーをつけることも可能。温かいものから冷たいものまで温度を保ったまま運ぶことができるといいます。

さらに荷台にディスプレーをつけて、配達しながら商品や会社の宣伝もできます。

バッテリー研究30年以上の技術者 62歳で起業

開発した社長の佐藤裕之さんは、大手メーカーなどで30年以上バッテリーを研究。退職後、「自分の技術でEVを作りたい」と62歳で起業しました。

車体の開発や製造は、業務提携を結んだ中国の自動車メーカーと共同で行っています。

佐藤社長は「今まで電池をやってきたので、その集大成として、この商用EVを日本で広める」と意気込みを語ります。

災害時には電源車にもなるEVバス

3月には、佐藤社長が期待をかける新商品、最大で30人乗れるバスの展示車両が届きました。1回の充電で最長230キロ走れるといいます。

このバスは、災害時に電源車としての利用も想定。座席の横にあるUSBポートから携帯電話などを充電できます。乗用車の10倍以上の容量のバッテリーを積んでいるので、被災地に行って現地で電力を供給したりする使い方を想定しています。

佐藤社長は今後、こうしたEVを日本で普及させ、脱炭素社会の実現にも貢献したいと考えています。「どうやって環境改善に貢献していくかが、企業の義務になってくると思う。そういうところの車両をどんどんEVに置き換えていくことができるようにがんばっていきたい」と話しました。

新商品のバスは、天井に太陽光パネルを装着すると、災害時などに発電する移動電源車としても活用できるということで、自治体から問い合わせも来ているということです。

【2021年3月29日放送】