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地域の“スモールリテイリング”を支援

NHK
2021年9月10日 午後1:13 公開

経営規模の小さな地方の企業や生産者が、全国にみずからの産品を売り込むのは大変です。そうした各地の商品を、購買データに基づきコンサルティングをしながら販売する店が登場。“スモールリテイリング”=小規模な小売りの新しい形が生まれようとしています。

全国各地360以上の品を販売

埼玉県ふじみ野市のショッピングモールに8月、全国各地の企業が生産した特徴のある商品を集めた店がオープンしました。

和歌山県のみかん農家が作ったスムージーや、熊本で売られている“しょうが麺”、急速冷凍の技術でおいしさを保ったのどぐろなど、扱う商品の数は360以上にのぼります。

女性客の一人は「いろいろ珍しいものがあっていい」、別の女性客は「(コロナで)いま旅行とかにも行けないので、見て買えるのはいいかもしれない」と話しました。

この店を立ち上げたのは、長年にわたり中小企業診断士=中小企業のアドバイザーとして食品メーカーなどの相談に応じてきた「はじまりビジネスパートナーズ」の白川淳一社長です。

新型コロナの影響が長引く中、地域の企業や生産者の力になりたいと、この店を開きました。

白川さんは「(コロナで)飲食店が影響を受けると、農産物・水産物の生産者が厳しくなる」と話します。

IT技術・AIカメラで消費者データ分析

白川さんがこの店で目指しているのが、消費者のニーズをより的確に分析すること。そのため最新のIT技術を導入し、さまざまなデータを集める仕組みを整えました。

まずキャッシュレス決済ができるよう、お客にアプリの登録を促し、一人一人の年齢や性別などを把握していきます。

さらに店内にAIカメラを設置し、どんな人がいつどのような商品を手に取るのか、常にデータを収集します。個人情報に配慮して映像ではなく文字データ化して保存し、映像は残さないということです。

こうして集めた消費者のデータは企業や生産者と共有。どうすれば商品がより売れるようになるのか、データに基づいたコンサルティングを行います。

相次ぐ相談 「一緒に出口見つける」

白川さんのもとには、データの活用で苦境を打開しようとする全国の企業や生産者からの相談が相次いでいます。

取材した日に訪れていたのは、札幌でスープカレーを扱う企業の営業部長です。コロナの影響で観光客が減り、売り上げが落ち込んでいたといいます。

分からないことだらけで突っ走ってきた」という営業部長に対し、白川さんは「ノウハウがないということだと思う。『うちもこういうことをやればいいんだ』ということが出てくると思う」などとアドバイスしていました。

白川さんは「暗中模索している中で一緒になって出口を見つけにいく。“伴走型の支援”につながっているのではないか」と話しています。

【2021年9月10日放送】

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