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待ったなし!自治体DX

NHK
2021年7月9日 午後1:28 公開

DX=デジタルトランスフォーメーションに取り組む自治体。書類に頼ってきた役所の手続きは、どこまで効率化されるのか?いち早く、2年前からDXに取り組んでいるのが札幌市役所です。

膨大な書類や確認作業をデジタル化

教育委員会の部屋の棚には、書類がぎっしり詰まっています。例えば、就学援助の申請書類は年間2万件。これまではすべて紙で申請を受け付け、職員が書類の不備や記入ミスがないかどうか、1件1件手作業で確認してきました。

就学援助を申請する人も、これまでは市が持っている所得などのデータを書類の形でみずから取り寄せ、申請書類とともに提出することを求められてきました。

そこで、市はデジタル技術を導入。市が持っているデータについては、教育委員会が直接アクセスできるようにしてミスなどが起こらないようにしました。申請者にとっても、データを取り寄せて提出するという手間が省けます。

このシステムは2021年度から稼働。市は、職員がこの業務にかける時間を半分以下に減らせると見ています。

市教育委員会の佐々木薫課長は「電算化、省力化をして、間違いも減らせる。決定までのスピードがほぼ半減化されるので、保護者にも必ず喜ばれる」と話しています。

DXで職員の意識改革も

市は今、ITコンサルタントのアドバイスを得て、DXを250ある主要業務に広げようとしています。例えば、医療費の助成。保健福祉局の担当部署では、これまで手作業で行っていた年間2万件近くのデータの突き合わせ作業を、自動化することを提案されました。

打ち合わせでは、ITコンサルタントがDXのメリットについて「情報だけを突合するのであればロボットが得意なところ。ミスも減る」と説明。医療費助成の担当職員は「細かく要件を定めることができれば、ある程度自動化はできる」との考えを示しました。

この担当職員は「(今までは)決められたルールがあるから、それにのっとってやらなければならないと思っていた。改善できる点もあるのかなと思う」と話していました。DXの取り組みが、市役所の現場に新たな気付きをもたらしているようです。

市は、DXをきっかけに職員の意識を変え、業務の見直しにもつなげていきたいと考えています。改革推進室の北川憲司室長は「一つ一つの改善、改革は、小さいものであってもいい。DXの大きな流れを追い風にして、今までやりたくてもできなかったことに取り組んでいければ、いちばんいい」と話しています。

行政のデジタル化を全国に広げていけるのか。9月に発足するデジタル庁にとっても、大きな課題となっています。

(経済番組 ディレクター 三ッ橋雅行)

【2021年7月9日放送】