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“完全栄養食”で勝負!

NHK
2021年6月16日 午前11:31 公開

たんぱく質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養素がそろい、カロリーや塩分などを抑えた“完全栄養食”。即席めんで知られる日清食品が、収益の柱にしようと開発に取り組んでいます。

チャーハンやとんかつが“完全栄養食”に!?

日清食品の安藤徳隆社長がみずから率いる、“完全栄養食”の開発プロジェクト。チャーハンやとんかつ、ナポリタンなど300種類以上のメニューを提供します。

安藤社長は、食生活の乱れによる生活習慣病などを防ぎたいとしたうえで、「ふだん食べているものが変わらずに、おいしく完全栄養をとる新しいコンセプトをつくろうと。栄養補助食品的なものはたくさんあると思うが、食事そのものが1食で完全栄養食というのは、まだないと思う。そこを完全栄養食にすることによって大きなビジネスになるんじゃないか」と話します。

インスタントラーメンの技術を応用

開発はどのように進められているのか。研究施設では、実際に調理した食事について、ビタミンなどの栄養素がきちんと含まれているか、チェックが行われていました。

さまざまな技術や工夫もつぎ込まれています。たとえば、カロリーを抑えた「とんかつ」。担当者によると“揚げずに”仕上げているそうです。詳細は「企業秘密」で明かせないということでしたが、即席めんの技術が生かされているといいます。

さらに、調理の過程で栄養素が流出することを防ぎつつ、栄養素の苦みを感じさせないようにする工夫が施されています。

安藤社長は「栄養素をすべて食べ物の中に入れてしまうと、苦み、えぐみが出てしまう。苦み、えぐみを感じずにおいしくするにはどうしたらいいか。インスタントラーメンの技術が応用されている」と説明しました。

社員食堂で試験導入 宅配やスーパーなどでの販売も?

会社が販路の一つとして考えているのが、健康志向が高まっている社員食堂です。大手商社の伊藤忠商事と連携し、一部の社員食堂で試験的に提供しています。メニューはハンバーグやカレーなど約30種類を用意します。

試食した伊藤忠商事の才ノ本衣美さんは「栄養食というより、ふつうにおいしい」と驚いた様子。「おいしいもの、好きなものを諦めないといけない部分もあるのかなと考えていたが、おいしく食べられてカロリーや栄養バランスがしっかりコントロールされた食事がとれる」と話していました。

日清食品では、“完全栄養食”が社員食堂を利用する人たちの健康維持につながっているかデータを集め、多くの企業への導入を目指しています。

安藤社長は「あらゆる食、あらゆるレシピを完全栄養食化することで、インスタントラーメン産業以上のビジネスモデルに成長させていきたい」と話しています。

家庭向けの販路については、宅配やスーパー・コンビニなどでの小売りを考えているそうです。また、調理済みの弁当にするか、冷凍食品にするかなど、さまざま検討しているということです。

【2021年6月16日放送】