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脱炭素社会 新社長が導く“新しいホンダ”

NHK
2021年5月6日 午後1:15 公開

2021年4月にホンダの新社長に就任した三部(みべ)敏宏さん。就任会見で、40年にすべての新車を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にする目標を発表しました。自動車メーカーが脱炭素社会への対応を迫られる中、新たな時代をどう生き抜くのか。神子田キャスターがインタビューしました。

2040年にすべてEV・FCVに “空間価値”で差別化

就任会見で「2040年にはグローバルでEV、FCVの販売比率100%を目指す」と述べたホンダの三部新社長。目標を達成するためのカギは、革新的な電池の開発にあるといいます。

ホンダ 三部敏宏社長 「電動車の中心にある電池。こういうものの技術的革新がまだまだ必要だと思っている。2030年、40年に間に合うタイミングで新しい技術革新もやっていかないといけない」

21年4月に行われた上海モーターショーでホンダが発表したEVは、車の中でネットショッピングしたり、車の機能をアップデートして最新の状態にしたりできます。三部社長はEVの開発に向け、こうしたソフト面から競争力を強化していきたいとしています。

「今までの車にないような空間価値。ハードだけではなくソフトウエアも含めたような新しい価値をEVに持たせることによって差別化していく必要がある」

他社との提携 積極姿勢に転換

EV市場は世界的なIT企業などが次々と参入し、業界の枠を超えた大競争時代を迎えています。ソニーは開発中のEVの走行実験の映像を公開しています。三部社長は競争を勝ち抜くために、ホンダがこれまで一線を画してきた他社との提携を積極的に探る考えを明らかにしました。

「アライアンス(提携)によって早期にやりたい姿が達成できるのであれば、アライアンスを組んで、やりたい世界を早くつくろうと考え方を変えている」

「ソニーさんなんかの車に対してのいろんな動きはウエルカムだと考えている。われわれの持っているのとは違う目線で新しい価値をつくっていると思うし、価値を上げられるという観点があれば、逆に一緒に組んでやっていく」

脱炭素社会でのエンジンの可能性探る

ホンダは、世界最高峰のモータースポーツと言われるF1参戦で培ったエンジン技術を市販車にも応用してきました。三部社長は、F1に憧れてホンダを選んだということです。みずからもエンジンの開発に関わってきただけに、脱炭素でもエンジンの可能性は捨てていないと言います。

具体的には、二酸化炭素と水素を合成することで作る合成燃料「e-fuel(イー・フューエル)」を使うことで、エンジンのカーボンニュートラルも視野に入れています。

「技術的には燃料そのものは作れるが、コストとしてはかなり高いものになっていく。そのハードルを越えられるか。うまい出口が見つかれば、そういう方向性は可能性としてはあると思う。決してかっこよさを捨てているわけではなく、これからもそういうところはやっていきたい。新しい時代のホンダらしさをつくっていかなければならない」

神子田キャスターが考える「社長に必要な3つの“ION”」

社長には3つの「ION」が求められると思います。1つ目は「VISION(長期展望)」。今後、社会、そして世界がどう変わっていくのか。その中で企業は何を求められ、どう答えを出していくのか、という展望です。2つ目は「DECISION(意思決定)」。みずからのVISIONを実現していくためには、巨額の投資や他社との提携が必要になります。社長がその意思決定を迅速にできるのか。決断が遅れれば命取りになりかねません。そして最後に「COMMUNICATION(社内への浸透)」。社長が何をやりたいのかを社員一人一人に浸透させていく。これが不十分だと社長のやりたいことが実現できません。

三部社長の経営のかじ取り、3つのIONという視点で注目していきたいと思います。

【2021年5月6日放送】