地域を盛り上げるアマノギフト!?

NHK
2022年2月15日 午後1:44 公開

「アマノギフト」、何だと思いますか?愛知県あま市がコロナ禍で始めた地域振興策で、市民にギフトカタログを配布する取り組みのことです。1冊のカタログが、停滞していた地域経済を少しずつ動かし始めています。

3300円分の駄菓子セット人気 販売のきっかけは…

あま市内の駄菓子店。新型コロナの影響で店を訪れる子どもが減っていましたが、市が始めた「アマノギフト」に参加したことをきっかけに、いま売り上げが回復しているといいます。

後押ししているのが、3300円分の詰め合わせセットです。誕生日のプレゼントなど贈り物として新たな需要が広がっているといいます。

店主の佐藤友裕さんは「最初は(注文が)20件30件も来ればありがたいと思っていたら、300(件)ぐらいは、いっている感じ」と笑顔で話します。

地元店の情報 カタログで触れて消費促す

アマノギフトのカタログには、市内200余りの店の商品やサービスが掲載されています。17~65歳の市民がカタログから好きなものを選び、市に申し込みます。すると、店から無料で商品や食事券などが届きます。

市は国の交付金を使って、注文1件につき3300円を店に支払う仕組みです。

この取り組みで市がこだわったのは、あえて紙のカタログにしたことです。オンラインではなく実際に手に取ってもらい、これまで知らなかった店の情報に触れることで、地元での消費を促したいと考えたのです。

市の社会福祉課の國立強志さんは「いろんな事業者を知っていただきたい。地域をみんなでもり立てていこうという思い」と話します。

若者集客・モチベーション向上などの効果も

市内のある和食店では、アマノギフトがこれまで少なかった若い世代の集客につながっています。

取材した日は、常連客の女性が大学生の孫と一緒に来店。大学生が「おばあちゃんの誕生日なのでプレゼント」と話すと、この女性は「連れて行ってくれるというから何がなんでも行く」と感激していました。

さらにカタログによって思いがけない効果も生まれています。障害がある人の就労支援施設が運営するキッチンカー。活動があまり知られておらず事業が伸び悩む状況が続いていましたが、カタログで活動を初めて知ったという声が多く寄せられました。  

施設の見学者や支援者が増えるなど、働く人たちのモチベーションの向上にもつながっているといいます。

施設の代表を務める今井恵美さんは「作業に取り組む姿勢、心持ちが少しずつ変わってきて、共生のまちをつくるという意味でもとても意義があった」と話しました。

こうした地域振興策は効果が一時的になってしまうこともありますが、今まで知らなかった地元の情報を得ることで、これからの消費につながることも期待されます。

1冊のカタログが生むつながりが、地域にうまくお金を回していくヒントになるかもしれません。

(名古屋局 記者 堀木伸一)

【2022年2月15日放送】

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