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洋上風力発電に熱視線!参入相次ぐ

NHK
2021年12月6日 午後3:03 公開

再生可能エネルギーの導入が広がる中、「洋上風力発電」への注目が高まっています。国は2030年に長崎、秋田、千葉の沖合を中心に、大型火力発電所10基分に相当する1000万キロワットの洋上風力を整備する目標です。最大15兆円の経済効果と9万人の雇用を生み出すという試算もあります。

そこで今、風車の組み立てに必要な作業船の建造海底調査の技術開発などの動きが活発になっています。

ゼネコン各社 作業船建造を加速

「五洋建設」が建造したのは、洋上風力の組み立てなどを行う作業船。全長70メートル、クレーンで800トンの重さまでつり上げられます。こうした作業船は国内にまだ数隻しかありません。

特徴は大きな4本の柱。この柱を海底に固定し、船をジャッキアップします。船を海面から浮かせることで、波の影響を受けることなく安定した状態で風車の組み立て作業ができるといいます。

船内には作業員のためのさまざまな設備があります。居住フロアには最大120人が宿泊できる部屋を完備。フィットネススタジオや食堂、医務室などもあり、作業員が長期間船の上で生活することができます。

洋上風力の建設は数年後には本格化するとみられています。現在、清水建設など別の複数のゼネコンも作業船の建造を進めていて、受注を見据えた動きが加速しています。

五洋建設でもさらに185億円の投資を行い、2隻目の作業船の建造を行っています。

洋上風力事業本部長の大下哲則さんは「(今後)同時に数プロジェクトが日本沿岸で全国的に建設が始まる。最も先行して取り組み、トップランナーになっていきたい」と話しました。

海底地質調査にも熱い視線

洋上風力を建設するために必要な「海底の調査」に参入する企業も現れています。地質調査などを行う会社「応用地質」が開発したのは、特殊なセンサーで海底の地質を可視化する技術です。

このセンサーを海に沈めて海底を調査すると、固い岩盤の広がりなどを3次元で表示し、風車の建設に適した地質かどうか判断できるといいます。

もともとこの技術は、陸上での地質調査に使われていました。会社ではそれを応用して洋上風力の調査事業に参入。売り上げは2020年に比べ2倍に増えているといいます。

エネルギー事業部の平出亜技術長は「5年10年は非常に洋上風車の開発は伸びていく。(調査シェア)5割は確保していきたい」と話しました。

現在日本で稼働している洋上風力はまだ数基です。先行するヨーロッパでは、イギリスやドイツが1000基、2000基という規模で整備を進めています

風車そのものは当面、海外メーカーに頼ることになりそうですが、関連産業のすそ野は広く、脱炭素の動きを成長につなげられるか注目です。

【2021年12月6日放送】

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