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スーツの常識くつがえす!?

NHK
2021年5月12日 午前11:47 公開

コロナ禍で在宅勤務が広がり、スーツ市場の縮小に追い打ちをかけています。そうした中、常識を打ち破る“カジュアルスーツ”が注目されています。

作業着メーカーのノウハウが詰まったスーツ

作業着メーカーのワークマンが3月に発売し人気を集めているのが、上下で4800円(税込み)のスーツです。

はっ水性と通気性の高さが特徴で、フード付きで雨もしのげるなど、工事現場用の作業着を手がけてきたこのメーカーならではのノウハウが生かされています。

作業員が打ち合わせの時に着られるようにと開発されましたが、動きやすさと身だしなみを両立し、在宅勤務や自転車通勤のビジネスマンの支持も集めています。発売からわずか2か月で15万着を販売しました。

メーカー広報部の伊藤磨耶さんは「スーツチェーンが発売しているスーツとは違った、プロの作業員向けのワークスーツを今後も販売していきたい」と話しています。

紳士服チェーンもカジュアルスーツに参入

一方、大手紳士服チェーンもカジュアルスーツを次々と発表しています。AOKIが2月からネット限定で発売したのが5000~6000円ほど(税込み)のスーツです。ポリエステルなどの割合を増やして伸縮性を高め、ふだん着のような着心地をねらいました。

これまでにない価格帯でしたがヒット商品となり、AOKIホールディングスの青木彰宏社長は「驚きはあった。(カジュアルスーツの)マーケットが拡大するんじゃないかという感触が確信に変わった」と話します。

さらにニーズを取り込もうと、会社では秋冬の新商品開発に力を入れています。紳士服メーカーとして培ってきた技術力を結集したのが、その名も「パジャマスーツ」。家の中でいかに楽に着られるかを徹底的に追求しながらも、外出しても型崩れしない立体的な縫製技術を採用しています。肌触りにこだわり、レーヨンなどを織り込んだものも開発しました。

会社では、カジュアルウエアの売り上げを5年以内に100億円規模に拡大したい考えです。青木社長は「マーケットが広がることに対して非常にワクワクしながら、われわれの60年間培ってきたスーツを作る力、ポジションをしっかりと確立して、差別化していきたい」と話しました。

働き方とともにスーツの概念も変わり、ビジネスとカジュアルの境目が薄れたところに新しいニーズが生まれているようです。

(経済部 記者 保井美聡)

【2021年5月12日放送】