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中国 IT企業が主導する自動運転

NHK
2021年9月16日 午後1:17 公開

車の自動運転は機能によって5段階に分かれていて、日本ではレベル3=「一定条件でシステムがハンドル操作や減加速を行う」段階です。

一方、中国ではすでにレベル4=「場所を限定してシステムがすべてを操作する」実証実験が行われています。その開発を主導するのはIT企業。中国総局の伊賀亮人記者がレベル4の実験を実際に体験し、開発競争の現状をリポートします。

ネット検索最大手が開発 北京市内で実験

中国・北京で2021年、タクシーが一般の客を乗せて自動運転で運行する実証実験が始まりました。万が一に備えて助手席に人が座っていますが、運転操作には関わっていません。

このタクシーは専用アプリを使って呼びます。指定の場所で乗り降りする仕組みで、北京市内の交通量が比較的少ない地域など4か所で実験が行われます。

早速、伊賀記者が自動運転の車に乗り込み実験をスタート。車はスムーズに加速し、交差点では自動で曲がり、目的地に向かいます。

この実験を進めるのは、中国のネット検索最大手・百度(バイドゥ)です。これまでのビジネスで培ったAIや地図データの技術を活用し、8年前に開発に乗り出しました。

会社の自動運転事業の責任者は「(自動運転によって)車をもっとスマートに、移動をより簡単にしたい」としています。

会社は6月には、タクシー向け自動運転車を量産すると発表。3年以内に30都市での展開を目指しています。

さらに、ハンドルやペダルがない「レベル5」の自動運転車の開発も進めています。

通信機器大手 研究開発に2000人以上投入

中国では今、こうしたIT企業の参入で自動運転の開発が加速しています。通信機器大手のファーウェイは、自動車メーカーにセンサーなどの部品やソフトウエアの提供を始めると発表しました。

自動運転の研究開発を進めるため2000人以上の体制を整え、2021年だけでも1000億円以上を投入して攻勢をかけています。

スタートアップも開発競争に参戦

開発競争にはスタートアップ企業も加わっています。南部・深センの「DEEPROUTE.Ai」は市街地の交通量の多い道路で実験を進めています。

自動運転車は、トラックの陰から急にバイクが飛び出してきても素早く検知して停止します。右側から合流して急に前に出てくる車にも反応。こうした急な動きにも対応できる技術の開発を急いでいます。

この会社のマーケティング責任者は「多くの乗客の感想や車両の反応などあらゆるデータを集めて、将来的な大規模な事業展開に向けて準備を進めていく」と話しています。

伊賀記者によるレベル4の自動運転体験では、乗った車が前の車を追い抜こうとして車線変更したところ、別の車が目の前に入ってくる場面もありましたが、きちんとブレーキがかかりました。ただ交通量の多いところではヒヤヒヤすることもありました。

不測の事態が起きた際、システムがどこまで責任を負うかといった基準づくりも必要で、中国がどう取り組んでいくのか注目です。

(中国総局 記者 伊賀亮人)

【2021年9月16日放送】

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