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補聴器にニーズ 現役世代にも

NHK
2021年10月6日 午後0:12 公開

コロナ禍で、マスク越しやアクリル板越しの会話が聞き取りにくいと感じたことはありませんか?そこで今、補聴器が注目されています。

「マスクで聞こえづらい」 需要高まる

東京都内の家電量販店の売り場には、最新の補聴器が並んでいます。8月には大手電機メーカーのシャープも新規参入しました。見た目はワイヤレスイヤホンのようですが、軽度・中等度の難聴者を対象にした医療機器です。

聴力のチェックや聞こえ具合の設定はスマホを使い、資格を持ったスタッフとオンラインで行います。価格はおよそ10万円で、イヤホンとして音楽を聞くこともできます。

このメーカーの石谷高志部長は「コロナで“聞こえ”に対する需要が非常に強まっている。毎日これを持ち歩いて、必要な時にサッとつけるスタイルを作っていただければ」と話します。

今、補聴器を求める人の傾向は、これまでと少し変わってきているといいます。補聴器専門店を運営する会社「リードビジョン」の社長で、みずからも補聴器を25年間使っている清水大輔さんによると、相談が相次いでいるのはマスクの影響です。

店では「マスク生活のため話が聞こえづらい」「頻繁に聞き返す場面が増えた」といった理由で来店する人が、全体の3割近くに上っています。

これまでは高齢者が中心でしたが、働く世代が増えているといいます。

清水社長は「わりと(難聴の程度が)軽いと思われる方の相談がすごく増えている。もともと補聴器はみなさん抵抗があって、メガネみたいに『すぐ検討しよう』とはなかなかならなかった。コロナによってそうも言っていられなくなった」と話します。

AI搭載の品も デジタル化進む補聴器

補聴器のニーズが高まる中、技術開発も進んでいます。医療機器を手がける海外の電機メーカーのフィリップスも補聴器に力を入れています。

最大の特徴は、補聴器に人工知能=AIが入っていることです。これまではレストランや街角など雑音が多い環境では人の声が紛れてしまい、聞き取りにくいという声が寄せられていました。

そこで、AIにトラックの走行音やペットの鳴き声などがある環境を1000万回以上学習させ、人の声がより聞き取りやすくなるようにしました。

担当の武田和浩マネージャーは「便利になって音も非常にクリアになっている。いろいろな技術を取り入れ、気軽に補聴器を使っていただきたい」と話しています。

補聴器もデジタル化が進んでいて、マスクでこもった声を聞こえやすくする機能がついた補聴器も登場しています。

専門店を経営する清水社長は「補聴器は医療機器なので、正しい情報を得て自分に合ったものを選んでほしい」と話していました。

(経済部 記者 早川沙希)

【2021年10月6日放送】

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