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AI・ロボットが建設現場を変える

NHK
2021年5月24日 午後0:39 公開

近い将来、深刻な人手不足が懸念される建設現場。AI=人工知能やロボットの導入など、さまざまな技術開発が進んでいます。

大手ゼネコン ロボット1000台導入目指す

兵庫県猪名川町の物流施設の建設現場を訪ねると、壁に貼るボードなどの重い資材をロボットが運んでいました。

このロボットは、目的地を入力すると、資材置き場からのルートを判断し、自動で走行します。周りに人がいれば、自動で止まることもできます。

導入したのは、大手ゼネコンの清水建設です。この作業は、もともと人が台車を使って行っていましたが、将来の人手不足をにらみ、ロボットの導入を急いでいます。印藤正裕専務は「ロボットが運んでくれると人が早く家に帰れたりする」とメリットを語りました。

この会社は、建設現場にさまざまなロボットを1000台導入する目標を立てています。コンクリートの柱の型枠を自動で作るロボットもその一つ。設計図をもとに、ロボットがノズルの位置を微調整しながら、セメントに繊維などを混ぜた特殊な素材を積み重ねて型枠を作っていきます。

清水建設技術研究所の小倉大季主任研究員は「簡単に工期も短く作れる。今後、研究をさらに進めていきたい」と話しています。

AIが油圧ショベル操作 自動運転の実験進む

一方、建設機械を自動運転する実験も進んでいます。埼玉県飯能市の建設現場で稼働していたのは、運転席に人がいない油圧ショベルです。

複雑なレバー操作を行っているのは、AIです。カメラやセンサーで地面の形状を立体的に把握し、自律的に作業を進めます。

現場では、建設機械の免許を持った人が監視をするだけです。実験を行っているフジタの技術センターの伏見光さんは「自動化した機械を、1人の人間が複数操るところを目指して生産性を向上させたい」と話します。

現在の課題はスピードです。AIによる操作は、人が操作するのに比べおよそ2倍の時間がかかります。そこで、AIの専門企業とシミュレーションを繰り返して改良を進めています。AIの専門企業「DeepX」の冨山翔司CDOは「人は作業の速さという面と、予想外のことが起こった時、柔軟に対応できる。まだまだ改善していかなければいけない点だと思っている」と話しました。

将来は「月面」での作業も可能に!?

建設業界の技術開発は、今や「月面」での作業を目指して進められています。大手ゼネコンの鹿島建設とJAXAは将来月面に基地をつくることを目指し、遠隔操作と自動運転で、月でも作業できる技術を共同で研究しています。人が立ち入るのが難しい災害現場などにも、こうした新しい技術が活用されていくといいと思います。

【2021年5月24日放送】