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“リサイクル率99%” カギを握るのは!?

NHK
2021年7月19日 午後0:50 公開

持続可能な社会の実現に向け、企業に環境への配慮を求める声が強まっています。そうした中、持ち込まれたゴミの99%をリサイクルしているという廃棄物処理会社が注目されています。

とことん分類 リサイクル率アップの「最短ルート」

企業や家庭から出たゴミをリサイクルして販売する店「モノファクトリー」。古い太陽光パネルはテーブル、ゴルフのパターはコートハンガー、レトロな時計はオブジェとして販売しています。ゴミとして捨てられたモノも、人によっては価値のある商品になるといいます。

この店の大沼友美さんは「もう1回世の中に出回るためにどういったことができるか。反応はさまざまだが、皆様の関心は多くいただいている」と話します。

この店を運営するのは、廃棄物処理会社「ナカダイ」。家庭からの粗大ゴミや企業の産業廃棄物を、毎日60トンほど受け入れています。その中から商品になりそうなものを厳選し、販売につなげています。

そのままでは商品にならないゴミは、解体して、素材や部品として販売します。その際に大切なのが、専門知識を持った従業員が行う分類作業です。

例えばエアコンの分類だけでも、銅や真ちゅう、プラスチックのほか、ガラス繊維や基板、配線など13種類に分けられます。

分類の精度が上がるほど素材の純度が上がり、高値で売れて、リサイクル率も上昇するといいます。

さらにこの会社には、ゴミを燃料に加工する工場もあります。プラスチックは木くずと混ぜて燃料に再生し、販売しています。こうした取り組みの結果、焼却や埋め立てに回すゴミは1%ほどで、リサイクル率が99%になったといいます。

この会社の中台澄之社長は「リサイクルは『魔法の器』みたいなものはなくて、分別をしっかりできることが、リサイクル率を上げる最短ルートだ」と話しています。

分類のノウハウを他企業に伝授    

さらにこの会社では、分類のノウハウを企業に伝授するコンサルティング事業も行っています。コンサルティングを受けている「東京冷機工業」は、古くなった空調設備の交換や処分を請け負っていますが、ゴミになる量を極力減らしたいと、分類方法を学んできました。

2年前からは回収した機材などをみずから分類するようになり、リサイクル率は80%を超えるようになりました。

環境への配慮を求める声が強まる中、会社では、ゴミのリサイクル率を高めることが、取引先に選ばれる条件になると見ています。吉田丈太朗社長は「排出物がリサイクルにちゃんと回っているとご報告するのはわれわれの責任でもある。環境に目を向けない会社は今後生き残れないのではないか」と話しています。

自社製品のリサイクル率を高めることを経営目標に掲げる大手企業も増えていて、この廃棄物処理会社には相談も相次いでいるということです。

(ネットワーク報道部 記者 加藤陽平)

【2021年7月19日放送】