ニュース速報

医療費負担に備える“専用口座”

NHK
2021年10月8日 午後0:17 公開

日本の医療費は高齢化で増加傾向にあり、政府の財政支出も拡大する一方です。6月には原則1割となっていた75歳以上の窓口負担を、年収が一定以上の人は2割に引き上げる法案が可決されました。医療費の支払いの負担は今後、増えることになりそうです。

そうした中、岐阜県に本店を置く地方銀行が、医療費の支払いに備えるための新たなサービスを打ち出しました。

窓口に並ばなくても…医療費を口座から引き落とし

東海地方を中心におよそ120の支店がある大垣共立銀行は、医療費の貯蓄専用の「健康口座」の運用を11月から始めると発表しました。ふだんの通院から診察まで、かかる費用を専用口座によって一括で管理します。

口座の開設に必要な預金は10万円以上。買い物などには使えず医療費限定です。病気やけがなど、いざという時に自分の貯蓄で備えてもらおうというものです。

最大の特徴は、口座から直接、病院への支払いができることです。かぜの診療や日々の通院の支払いにも使うことが可能です。

通常は病院を訪れた際、治療を受けたあと窓口で支払いをする必要がありますが、この口座を開設した人は専用のカードを提示すれば診察後の支払いは不要となり、窓口で待つ必要もありません。

かかったお金は月に1回、「健康口座」から引き落とされる仕組みです。

街の人にこの口座の印象を聞いてみると「お金を払う時に細かいのを出していると面倒くさいから、その点は楽ですね」という声がありました。

健康管理アプリなど預金口座に「付加価値」

口座を開いた人には、医療費を減らすことにつながるサービスも提供されます。健康を管理するアプリで日々の体重や運動などを記録するもので、日頃から健康に気を配ってもらうねらいです。    

さらに、体調に不安がある時に看護師に相談できる“ホットライン”のサービスもあります。

この口座の利用には、毎月330円の料金がかかります。

銀行では、このサービスを導入する金融機関や病院が増えてサービスの質が高まれば、新たなニーズを掘り起こせると考えています。

境敏幸頭取は「地域にとってもお客さんにとっても、預金口座に新しい付加価値をつけることができる。より多くの方に利用してほしい」と話しています。

この医療費専用口座のサービスは岐阜県の大垣西濃信用金庫も始める予定で、広がりを見せ始めています。低金利などから経営環境が厳しさを増す地方の金融機関にとって、新たな収益源につながる取り組みになるかもしれません。

(名古屋局 記者 三好朋花)

【2021年10月8日放送】

この記事は動画でもご覧いただけます。(ここをクリック)

あわせて読む

保険が適用される「治療用アプリ」最前線

オンライン診察を「テレビ」で受けるサービス登場

「情報銀行」新潮流 健康データがビジネスに?

コロナ禍で補聴器のニーズが高まっている理由

シニアがスタートアップに勤めたら