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新生銀行 vs. SBI 異例の敵対的TOBの行方は?

NHK
2021年11月22日 午後1:24 公開

公的資金が投入されている「新生銀行」「SBIホールディングス」が仕掛けた銀行業界初の敵対的TOBが大詰めを迎えています。行方を決める臨時株主総会が25日に開催されるのを前に、構図や両社の主張について詳しく解説します。

「金融連合構想」へ子会社化ねらうSBI

まず構図をおさらいします。敵対的買収を仕掛けているSBIホールディングスはもともと、新生銀行株の20%を持つ株主です。それを48%まで増やして新生銀行を子会社化し、経営陣も入れ替えると表明しました。

SBIは地方銀行などと組んで金融グループを形成する「金融連合構想」を掲げています。新生銀行を子会社にすることでさらに収益を拡大させたいというねらいがあります。

防衛策「ポイズンピル」を発動したい新生銀行

これに対して新生銀行はTOBに反対し、「ポイズンピル(毒薬)」と呼ばれる買収防衛策の発動を臨時株主総会に諮ろうとしています。

この防衛策はSBI以外の株主に新しい株を割り当てるという奇策で、SBIがたくさんの株を買わないと買収できなくなるようにして断念させる戦略です。

新生銀行はTOBに反対する理由について、SBIが48%の株を握って単独でいろいろ決められるようになると、残された52%の株主の意向が反映されず不利益が生じるおそれがあるとしています。

さらに、SBIの金融連合構想よりは、自分たちがいま進めているアジアなど海外企業への買収や出資などで成長していくほうがいいと主張しています。

新生銀行の工藤英之社長は「アジアパシフィックの領域での買収や出資に資本を使っていくのが、いちばん企業の成長として正しい経営資源の配布のしかただと考えている」と述べています。

TOBの成否 カギは「国」にあり

25日に開かれる新生銀行の臨時株主総会では、買収防衛策を発動するかどうかが株主に諮られます。SBIは買収防衛策の発動が可決されればTOBを撤回すると表明しています。

逆に否決されれば、TOB成立に向け大きく前進することになります。

その行方のカギを握っているのは実は「国」です。国は新生銀行株の約20%を持つ大株主で、前身の旧長銀・日本長期信用銀行の時代などに投入された公的資金のうち、まだ返済されていない約3490億円分を株式として保有しています。

公的資金ということは、私たち国民の税金に関わる話でもあります。国には「SBIと新生銀行のどちらを支持すれば、より早期の公的資金返済につながるか」という視点で賛否の判断が求められています。

公的資金の返済について、SBIと新生銀行の両社は次のように話しています。

SBIホールディングス 北尾吉孝社長

20年以上にわたって公的資金3500億円を返さない唯一の銀行。われわれなら変えられる

新生銀行 工藤英之社長

誰がやっても半年後に返せますかというと、そういう話でもない。自己株取得のような形で株主還元したりして、実際にはいわゆる公的資金返済に大幅に近づいている

株主総会の行方を左右する国は、説明責任を果たす必要があるとして、防衛策への賛否などをどう判断したのかについて公表する方針です。私たち国民も無関心ではいられない25日の臨時株主総会に注目です。

【2021年11月22日放送】

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