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四国発 コロナ禍の需要をつかめ!

NHK
2021年10月19日 午前11:27 公開

観光業界は新型コロナの影響で厳しい状況にあり、全国でさまざまな模索が続いています。四国では宿泊業者が、新たな発想で需要を見いだしています。

ペットと旅したい 同伴プランに「手応え」

全国有数の観光地・愛媛県松山市の道後温泉は、新型コロナの影響で観光客が激減。それまで観光ツアーの団体客がメインだったホテル「ルナパーク」も、宿泊客が例年の4割にまで落ち込みました。

そこで新たな顧客を取り込むため、7月から始めたのがペットと同伴できるプランです。追加の価格は1匹につき3300円。コロナ禍でペットと過ごす人が増えたため、ニーズがあると考えました。

このホテルでは、100余りある客室のうち別館のおよそ20部屋をペット同伴可能な部屋にしました。部屋の奥には小型のケージと食事用の容器があります。

また、大型バスの駐車場を一部改修してドッグランを作ったほか、ロビーには犬の顔がぴったり収まるくり抜きパネルを設置しました。

さらにペットにも本物の道後の湯に足を浸してもらおうと、“足湯”も設置。おそろいの浴衣も用意しました。

遠出は無理でも愛犬とどこかへ行きたいという需要を捉え、およそ2か月で延べ140人の利用がありました。

ホテルの藤井馨営業部長は「手応えを感じている。コロナ禍、アフターコロナは関係なく、これからも需要はあると考えて頑張っている」と話しました。

「脱・薄利多売」 宴会場を改装したスイートが人気

一方、香川県高松市の旅館「花樹海」が見いだしたのは「脱・薄利多売」です。宴会場だったスペースを改装し、5つのスイートルームに変更しました。

その一つで3月にリニューアルした部屋は、幅13メートルの窓から瀬戸内海と市の中心部を一望できます。1泊14万円以上する部屋もあり、海外旅行をあきらめた家族や3世代で過ごすなどの利用も多いといいます。

脱・薄利多売を考えた背景には、2020年のGo Toトラベルの経験がありました。料金が高い部屋から予約が埋まったことから、高級路線に活路を見いだそうとしたのです。

21年8月には稼働率は7割を超え、宿泊プランの中でトップになりました。

旅館の三矢昌洋会長は「高い安いということは、あと。脱・薄利多売は旅館だけでなくすべての面で考えないといけない」と話していました。

観光は地方経済にとって大切な産業です。Go Toトラベル再開などへの期待も出ていますが、発想を少し変えて新たなニーズを掘り起こすことができれば、コロナ禍からの回復にもつながっていくと感じました。

(松山局 キャスター 鈴村奈美、高松局 記者 横山太一)

【2021年10月19日放送】

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