「歴史」が新ビジネスを生む!?

NHK
2022年3月15日 午後1:00 公開

歴史からビジネスのヒントを学ぼうという人は多いと思いますが、福岡市にあるスタートアップ企業が歴史をテーマにインターネットで番組などを配信し、利用者を伸ばしています。

歴史トーク番組を支える4400人以上の「サポーター」

ポッドキャストやユーチューブなどで週2回配信される歴史トーク番組「コテンラジオ」。再生回数はこの3年で3700万回を超えています。

番組のこだわりは「歴史が私たちの生活にどう結びついているのか」を学ぶことです。例えばフランス革命の回では、番組の中で「(フランスの市民が)人権とか自由とか平等とかに目覚め、その延長線上に僕たちの世界があって、当たり前の権利を享受できているのはこの革命のおかげ」と語られていました。

コンテンツのほとんどは無料ですが、4400人以上のサポーターがいて月1000円からの支援金を支払っています。会社の収入は月に500万円を超えています。

番組を手がけるスタートアップ企業「COTEN」の代表取締役の深井龍之介さん(36)は、メーカーで働いていた時に歴史の中に企業経営や働き方のヒントがあると気付き、ビジネスにしようと考えました。

多様な価値観を歴史から学ぶ

深井さんは、価値観が多様化し生き方に迷う人が増えていることが再生回数の伸びにつながっていると感じています。

今の時代がどうやって生きていけばいいか分からない時代。自分の人生と照らし合わせる鏡みたいなものが必要で、それが歴史」と語ります。    

サポーターの1人で福岡県鞍手町で農業を営む男性は、番組を通じて戦争の歴史や偉人の人生、教育が発展してきた歴史などを学び、多様な価値観を知ることができるとファンになりました。

男性は歴史を知れば知るほど常識も時代とともに変化していくと考えるようになり、子育ての仕方も大きく変わったといいます。

(私が)今抱いている価値観を押しつけてはいけない。子どもたちには自分で自分の人生を決める力をつけてほしい」と語ります。

企業もサポーターに

サポーターの中には企業もあり、月額5万円以上支援している企業が35社あります。そのうちの1つで創業300年の生活雑貨店「中川政七商店」は、歴史からの学びを大切にする姿勢に共感して支援を決めました。    

この会社の13代目、中川政七さんは「コテンラジオを応援しているスタンスがお客さんの購買行動に影響する。(歴史を大切にする)企業の価値観が伝わるんじゃないか」と話します。

経営のヒントを歴史に学ぶ「データベース」を

深井さんは「歴史にはビジネスとしての需要がある」として、今後歴史を会社の経営戦略などに生かすビジネスにも乗り出したいと考えています。

今の世の中が求めているのが自分たちをふかん的に見ることだと思う。そのためにとても歴史が役に立つ、それを理解してくれる人が増えてくるとビジネスとして成り立つ」と話しています。

深井さんが考えるビジネスのイメージは、経営などのヒントを歴史から学ぶ「データベース」だといいます。

例えば「リーダーシップ」と検索するとカエサルや織田信長といった偉人のエピソードなど、時代や国を超えて経営などに生かせるヒントが出てくるといったイメージです。

この事業に可能性を感じた投資会社などから8400万円が集まっているそうです。

(福岡局 ディレクター 竹内佑飛)

【2022年3月15日放送】

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