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給料もデジタルで! でも大丈夫?

NHK
2021年5月14日 午後1:33 公開

政府は、「〇〇ペイ」と呼ばれる電子決済サービスに、給料を直接振り込めるようにすることを検討しています。利用者は現在、銀行などに振り込まれた給料を決済アプリに移して使っています。直接振り込まれれば便利になる一方、心配する声も出ています。

「〇〇ペイ」に給料を振り込み 労働組合は懸念

労働基準法第24条は「賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」と定めています。つまり給料は現金で手渡しするのが原則です。

ただ実際は、銀行などの口座への振り込みがほとんどだと見られます。「労働者が同意した場合は現金でなくてもよい」という規定が適用され、例外として銀行などへの振り込みが認められているのです。そこで、「〇〇ペイ」への振り込みも例外として認めるようにできないかが検討されています。

こうした動きに疑問を示しているのが労働組合です。銀行の場合は、例え経営破綻しても預金保険制度で預金は守られます。一方、「〇〇ペイ」の事業者が経営破綻した場合は、振り込まれていた給料が労働者の手に無事に渡るかどうかが、心配だといいます。

デジタル払いの条件は?

政府は4月、「〇〇ペイ」を通じて賃金を支払うための条件をまとめました。まず大前提として、社員の同意を得ること。さらに社員が希望すれば、「〇〇ペイ」と銀行口座の双方に振り込めるようにすることとしています。

そのうえで、①事業者が経営破綻しても社員のお金が保証される仕組みや、②本人に落ち度がないのに決済アプリを不正に使用され損害が生じた時に、補償する仕組みがあること、③「〇〇ペイ」に振り込まれたお金も、銀行と同様に現金として引き出せるようにすること。こうした条件をすべて満たした事業者のみに、給料の振り込みを認める案を示しました。

個人情報保護でも懸念の声

こうした条件について組合側からは、①経営破綻した時の保証の仕組みを、個々の業者に委ねて安全なのか、②不正使用された場合に落ち度がないことを本人が証明しなければいけないのかなどを、具体的に示してもらわないと安心できないといった声が出ています。さらに、個人情報保護の観点からも懸念が示されています。

この新たな賃金の支払い方法について、政府は2021年度のできるだけ早い時期に制度化したいとしています。月々の給料という生活に深くかかわる問題だけに、慎重な検討を求めたいと思います。

【2021年5月14日放送】