こんにちは、森下絵理香です。
私は小さいころ、夏になると家族に海へ連れて行ってもらうのが何よりの楽しみでした。
海への愛情は大人になってからも続き、NHKに入ってからは水中での撮影やリポートを専門とする「潜水班」にも所属しています。
ただ、暑い季節は海や川遊びのベストシーズンですが、毎年痛ましい事故も後を絶ちません。
実は私、学生のころ海で遊んでいて少しずつ深場へ移動していた時に、急に足がつかなくなってヒヤリとしたことがありました。浜辺にいる友人に手を振っても気がついてもらえません。とにかく顔だけは水面から出して呼吸に集中し、少しずつ陸のほうへ戻って事なきを得ましたが、海で油断は禁物。友人には「さっき手振っていたのを見てたよ!」と言われ、海と陸で意思疎通する難しさを改めて学びました。
今回は、お子さんなどと海や川で遊ぶときに気をつけてほしいことを水難学会などへの取材からまとめ、イラストにしてみました。
海へ子どもと一緒に行くときは
子どもと海に入る場合は、ライフジャケットを身に着けてください。
ライフセーバーや監視員のいるところを選びましょう。海に入る前にどんな注意が必要かコミュニケーションを取って確認するのがおすすめです。
沖へ向かう強い流れ「離岸流」にも注意が必要です。
「浮いて待て」という対処法は、いま、学校の授業などで習う子どもたちも多く、大人よりも浮くのが上手なこともあるのだとか。
注意点や対処法を、事前に家族で一緒に確認しておくのがいいと思います。
この夏はこんな危険も…「ライフセーバーが足りない? コロナ禍の思わぬ影」
川へ子どもと一緒に行くときは
こちらは川での注意点です。
最近はバーベキューやキャンプも人気ですが、準備や片付けをするときは手元に集中しがちです。
このとき川に入っている人がいたら特に注意が必要。
「目を離さないように」とイラストには描きましたが、常に一緒に行動すること、一人きりで水の中には入らせないことが一番だと思います。
また、海と同様に川でもライフジャケットをつけてください。というのも、川でも急な深みが危ないからなんです。
こちらは、潜水班の先輩でもある浅石カメラマンが、撮影した「危険な川底」の映像です。岸から見たら浅く見えても、実際には急に深くなっていることがあるとよくわかります。
私もサーフィンをする時には、仲間と声をかけ合って沖に流されないように位置をこまめに調整するようにしています。
浜との距離感はつかみにくいため、建物や海に突き出た堤防などを目印にして自分の位置を把握するのが大事です。
本来、海や川は、自然の恵みを感じられる美しく楽しい場所です。
今回の取材内容やわたしたち潜水班の経験談が、少しでも多くの方の役に立てばと願っています。
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