ブレイキンAYANEさんの筋肉に学ぶ!おはSPO筋肉体操

NHK
2023年3月6日 午後5:05 公開

今年度最後のおはSPO筋肉体操は、パリ五輪の新競技として注目が集まる、ブレイキン!

先月行われた全日本ブレイキン選手権で3位に入賞した、ダンサーネームAYANE・半井彩弥選手に登場いただきます。

男子の絶対王者・Shigekix選手の姉としても知られるAYANE選手。

自身も国内外の大会で優勝や上位入賞を果たすなど、パリ五輪の選考レースに向けても目が離せない存在です。

AYANE選手はブレイキンの選手としては珍しく、本格的なウエイトトレーニングやサーキットトレーニングに取り組んでいるそう。

それが競技の中のダイナミックな動きにどう生かされているのか、谷本先生がひもときます!

【NEW!】第3回 ダンス支える"足腰"

谷本道哉さん

AYANE選手は1年くらい前からフィジカル強化で筋トレを始めたそうですけれど、変わったと感じたことってありますか?

AYANE選手

筋トレを始めるにあたって、自分のどこが強くてどこがまだ足りてないか、どこをもうちょっと伸ばした方が動きやすいかというのを意識するようになりました。自分の強いところはもちろんより強くする。弱いところは効率よく動くために伸ばしていく意識になって。おかげで、今まで勢いとかスピードでごまかしていたところが、細かいところまで筋肉を意識するようになってかっこよく踊れるようになった。より効率よく動けるようになったのはすごく感じますね。

谷本さん

動きや筋肉と向き合えるようになったという感じですかね?

AYANE選手

自分の体を知ることができたのが大きいのかなと思いますね。ここが強いから自分はここをもっと伸ばしていきたいというのですごくワクワクする。ただ筋トレするだけじゃなくて、自分の競技があるからこそ、それに向かってやっているから、ちょっときついなって思う時もあるんですけど、結局楽しく踊るために頑張れるみたいなところはありますね。

谷本さん

ワクワクして世界と戦えるって、いいですね!

ブレイキンは上半身に目が行くんですけれど、見ていると足もかなり使っているんですね。

AYANE選手

ブレイクダンスやブレイキンと聞くと「逆さ」になっているイメージが多いと思うんですけれど、実際競技になって大会に出るとなると、立ち踊りから足を使って床で動くフットワーク、あとはパワームーブ、私が得意とする上半身で支えながら動く動きもやっぱり股関節を使っていたりします。なので、けっこう全身運動という感じですね。

谷本さん

コサックダンスみたいな動きあるでしょ。右手をついたり左手をついたりしながら、お尻が低いところで足バタバタする。あれも、ももがパンパンになるでしょ。

AYANE選手

はい、お尻の下に足があってという状態です。ずっと長年やっていると姿勢に慣れてきたりするんですけど、やっぱり大会になると踊る回数がどんどん増えていくんですね。そうなってくると乳酸がたまる、疲れがたまってきて、どんどんその姿勢がしんどくなるということはあります。

谷本さん

やっぱり足の筋肉は大事なので。皆さんもAYANE選手の動きをまねて鍛えていただきたいです。コサックの動きはちょっとキツすぎますから。普通のステップもちょっと中腰でやるじゃないですか。

AYANE選手

低い姿勢で踊った方がかっこよく見えるスタイルになっているので、大体の人が、中腰というか、腰を少し下げて踊ってるような感じです。

谷本さん

太極拳は腰を下げるから難しいですけど、ブレイキンはリズミカルにやる太極拳みたいなところがありますから、まねしていただくと、皆さんも下半身を強化出来ると思います。

AYANE選手

音楽に合わせて動くことで、より楽しく鍛えられると思うので、皆さんもやってみましょう!

第2回 体持ち上げる"強い肩"

谷本道哉さん

やっぱりAYANE選手といえばパワームーブだと思うんです。パワームーブは上半身でずっと体を支えてて、手で生活してるような形で踊られるんですよね。肩周りとかどうです、自信ありますか?

AYANE選手

そうですね、首から肩にかけてのこのラインとかやっぱり強いよねと周りから言ってもらったり、自分の中でもこの筋力があるからできていることは多いなと思います。

これがブレイキンで「フリーズ」という、止まる動きになります。

谷本さん

時が止まったのかと思いました。すごいですね、やっぱり肩の「三角筋」とここの最後の押し上げは「僧帽筋」なんですよね。

AYANE選手

ただ押すだけじゃなくて、”押しきる”ことで止まれる。ここにロックがかかるので。それが強さの秘けつかなと思ってます。

谷本さん

「三角筋」で肩を支えるというのはもちろんなんですけど、今言われた「僧帽筋」の上部ですよね。ここも上げていく時にものすごく使うので、すごく発達していると思います。

AYANE選手

あとは頭をつきながら首を上げたりとか、そういう動きとかでは”床を頭で押さえつける”みたいな感じで筋肉が発達してくるのかなって思っています。下から上に上げる動きが比較的得意で、ここの筋力のおかげで得意なんだって今再確認しました。

谷本さん

手で押すだけじゃなくて、そこから肩まで上げていくでしょ。

AYANE選手

ただ上げるだけだとひじが負けちゃったり、重たく感じてしまう。手を普通に開くというより、そこからさらに押し上げることによって勢いがついたりとかっていう動きもやっぱりあるので。

谷本さん

一般の方でも、肩は腕をぶら下げていて、肩で引っ張ってあげているところがあります。物を持ったり、肩こりにならないことも大事ですから。AYANEさんほどじゃなくてもいいですけど、皆さんもぜひ鍛えたほうがいいと思います。

AYANE選手

生活が楽になります。これで(笑)

第1回 首を鍛えて 強くかわいく!

谷本道哉さん

やっぱりAYANE選手の体で、僕らの一番目が行くのが「首」ですよ。すごいですよね。

AYANE選手

ダンススタイルもあって、最初のころやっぱり踊っていくうちにだんだんムキムキになる。それがやっぱり女の子なんですごい気にしてたんですけど。今になったらやってきた誇りに思うというか。自慢じゃないですけど、強みになってますね。

谷本さん

僕はAYANE選手の首はチャームポイントだと思ってます。非常に強くて、かわいい首だと思います。

AYANE選手

ありがとうございます。

谷本さん

レスリングなんかもそうですけど。首で体を支える動きがありますよね。首1本でコマみたいに回って。"反重力"の世界ですよね。

AYANE選手

はい、途中からは手を使っていません。下半身を支えるために私の首があります。

逆さになる、普通に人間が生きてたらやらないような。「誰が頭で立つんやろ」みたいなことだと思うんですけど。それがブレイキンのだいご味というか、ブレイキンならではのかっこよさがそこにあるのかなと思います。

谷本さん

普通は首から上を支えてますけど、ブレイキンは首から下を首で支えるというね。

AYANE選手

なかなか支えてる量が多くなるっていう、ふだんよりも。

谷本さん

すごいと思います。でも一般の方も、首は常に5キロくらいある頭をふだんから支えている部分なので、AYANE選手ほどの強さは必要ないかもしれないですけれど、首はしっかり鍛えたほうがいいと思います。

AYANE選手

首を鍛えることで、皆さんも強くなりましょう!