潜水中継の裏話! (NHK潜水班 森下絵理香)

NHK
2022年4月22日 午後5:42 公開

今年度から毎週土日祝日のキャスターを担当します、森下絵理香です。

4月17日(日)の放送でお伝えした「北海道の春 潜水中継」。この時期、函館の海で見られる、「卵を守るホテイウオ」を紹介しました。

▶▶NHKプラスの見逃し配信はこちら(配信期限 :4/24(日) 午前7:40 まで)◀◀

愛嬌のある顔とぷっくりしたおなかが七福神の布袋様に似ているため「ホテイウオ」というこの魚。

生中継のカメラがとらえたホテイウオです。岩と同化しているようにも見えますが、左上が顔です。おなかを上に向けて岩にくっついています。

こちらが、ホテイウオが守っている卵です。稚魚の目が透けて見えていますね。

産卵は冬から春にかけて行われますが、この時期の北海道は水温が低く厳しい環境なため卵を守る姿が生で見られるのは、本当に貴重なんです。

NHK潜水班って?

さて実は私、趣味がスキューバダイビングと水中撮影です。

潜水歴は10年。NHK潜水班にも所属しています。

NHK潜水班というのは、カメラマンとアナウンサーが所属する、水中での撮影やリポートを専門とするチームです。普段はそれぞれが専門の仕事をしていますが、いざというときには潜水班として水中での撮影・リポートを行います。

潜水班のメンバーは、水中で安全に取材ができる潜水技術を身につけるために特別な研修を受けています。体力や泳力の強化、それに実際に海に潜って潜水撮影を繰り返し、技術を身につけます。

アナウンサーは、顔全体を覆う宇宙飛行士のヘルメットのような「フルフェイスマスク」を装着し、水中リポートを練習します。

↑3年前、研修で初めてフルフェイスマスクをつけたとき。窮屈さに戸惑っています。

今回水中から伝えてくれたのは、当時研修の先生だった館岡篤志カメラマン。初めて私が海の中でリポートするときにもサポートして下さいました。

<黄色の丸で囲っているのが館岡カメラマンです>

最近では、北海道の沖合でマグロの大群が泳ぐスクープ映像を撮影。ベテランカメラマンです。

ココだけの話、井上二郎キャスターとは、中学高校の同級生だそうです。

水温は5度!過酷な海での中継に挑む

今回の放送後、館岡さんに、現場で工夫したことを聞きました。

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森下: 
水温が低い海。大変でしたよね。

館岡:

そうですね。中継では、30分潜ると体が冷えてくるとコメントしましたが、水温5度の海。水に体を入れただけで肌がピリピリする冷たさですよ。

実際に現場では、日の出前の一番寒い時間帯から作業が始まります。水中にカメラをセッティングしたり、リハーサルをしたりと、海から出たり入ったりするため、体はかなり冷えました。

森下: 

今回の中継で大変だったことは?

館岡:

水温が低いのに加えて、うねりがあって透明度が悪かったので、安定して撮影するのが大変でした。今回はカメラや照明など水中は5人で中継を行ったのですが、水の中では会話することができないので、身振り手振りで意思を伝えて、お互いを支え合うことで、無事に中継を出すことができました。

森下:

潜水中継の醍醐味ってなんでしょう?

館岡:

まさにいまの、海の中の生き物たちの営みを伝えられることでしょうか。私たちがテレビを見たり、食事をしたりしているときに、海の中ではホテイウオのオスが卵を守っている。今回の中継を通じて、海の中で懸命に生きる生き物たちに親しみを感じてもらえれば、とてもうれしいですね。

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海の生き物の営みを通して、自然や命の美しさ、季節の移ろいを伝えたい!

その思いは私も同じです。

次回作も予定しています!乞うご期待♪

(文章・イラスト 森下絵理香アナウンサー)

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