今年の花粉は「早くて多い」スギとヒノキのピークはいつ?【南利幸キャスターが解説】

NHK
2023年2月8日 午前10:03 公開

【今年の花粉はどうなる?この動画は2分57秒あります】

南利幸キャスター:こちらは私が1月末に顕微鏡で撮影したスギ花粉の写真です。直径が0.03~0.04ミリメートルで、小さくて軽いから遠くからでもたくさん飛んでくるのがスギ花粉です。

この花粉がどれくらい飛んできているか、ことしどれくらい多くなるかという予測を行っているわけなんですが、日本気象協会の予測では、例年比=だいたい過去20年前後の平均値との比較で「やや多い」「多い」といった地域が多く、関東甲信は「非常に多く」なりそうです。

さらに去年は花粉の飛ぶ量が若干少なかったので、去年と比べると、ことしは「非常に多い」ところが「関東甲信」「東海」「近畿」「四国」となっていて、ことしはたくさん飛びます。「飛びスギ」になりますからね。スギ花粉症の方は注意してください。

森下絵理香キャスター:スギだけに。

南:次に飛び方です。兵庫県西宮市のわが家で、過去21年分の飛び方を平均したグラフでは、スギ花粉は2月中旬ごろから本格的に飛び始め、3月10日前後にピークを迎えます。1平方センチメートルあたり60~70個くらい飛びます。3月の下旬に減ってきます。

東京ではどうなのかというと、スギ花粉が多いんですね。ピークの時には1平方センチ当たり100個を超えて、ピークも長く続きます。これが関東と関西の飛び方の違いです。

森下:1平方センチで100個とはすごい量ですね!

南:ヒノキ花粉はどうかというと、兵庫県西宮市では若干スギ花粉よりも多くなって、1平方センチあたり80個ぐらい飛びます。4月10日ごろにピークを迎えます。

一方東京はヒノキは若干少ないです。地域によってスギがたくさん植えられているところとヒノキがたくさん植えられているところがあり、飛び方が少し違います。

スギ花粉はそろそろピークに入ってきそうですが、兵庫県西宮市のわが家で1月17日からスギ花粉の飛散数を観測したところ、1月20日に少し飛び、24日に1平方センチあたり1.2個飛びました。

森下:1平方センチあたり1個といっても顔の面積になったら・・・

南:顔の目のあたりから口ぐらいの面積にすると100~200個くらいになります。1月中に1平方センチあたり1個を超えるのは珍しいことです。ちょっと「早スギ」です。

森下:スギだけに。

南:そして気温が高くなると飛んで、西宮市で最高気温が2.9度と冷え込んだ1月25日は飛ばなくなりました。やはり花粉は花、植物から出てくるものですから、気温が高くなると花が開いて花粉が飛びます。

ということで、この先の予報を見ると、気温の高い日が比較的多く、東日本や西日本で予想最高気温が10度を超える日が多くなります。そろそろ本格的に飛散が始まるので、花粉症の方は早めに対策をとっていただきたいと思います。

【放送日:2023年2月5日】