まもなく冬を迎えるにあたり懸念されているのが、新型コロナとインフルエンザの同時流行です。すでに海外では同時流行が起きていて、日本でも新型コロナとインフルエンザのワクチンの同時接種が始まりました。
私たちはどう備えればよいのでしょうか。
(この動画は2分41秒あります)
政府が想定する「ピーク時の患者数」(1日当たり)は新型コロナが45万人、インフルエンザが30万人。合わせて1日75万人の患者が発生する可能性を想定して準備を進めるとしています。
私たちにできる対策について、大阪大学の忽那賢志教授はまず「ワクチン接種の重要性」を強調しました。
大阪大学 忽那賢志教授
「やはりいちばん大事なのはワクチン接種。コロナに備えるということも大事だが、同時にインフルエンザのワクチン接種もできるので、ぜひ両方ワクチン接種をして両方に備える。もちろんそれぞれの副反応は出ることがある。同時に打つことによって、何かそれに加えて悪影響が起こることはないということが確認されている」
同時流行を想定した政府の具体的な対応です。
重症化リスクが低い人は発熱などの症状が出てもすぐに発熱外来を受診せず、まずは自宅などで新型コロナの抗原検査を受けてもらうとしています。検査の結果コロナの陽性と判断された場合は、健康フォローアップセンターを通じて自宅療養となります。
また抗原検査の結果コロナの陰性となった場合は、オンライン診療や電話など発熱外来以外の医療機関を通じてインフルエンザかどうか診断を受け、必要に応じて抗インフルエンザ薬の処方を受けます。
一方、小学生以下の子どもや高齢者など重症化リスクが高い人は、直接、発熱外来やかかりつけ医を受診してもらう方針です。
大阪大学 忽那賢志教授
「重症化リスクがない人でも重症化することはある。重症化リスクがあてはまらない方も、すぐに何かあった時には連絡がつくような問い合わせ窓口を各都道府県で整備することが大事」
忽那教授によりますと、第7波の時は保健所に連絡しても電話がつながらないため救急車を呼んだケースがあったということです。忽那教授は「相談できる窓口を整備すれば、電話がつながらないから救急車を呼ぶというケースを無くすことにもつながる」と話していました。