手数料の方が高くつく!? 広がる硬貨の取扱手数料有料化 負担減らす工夫さまざま

NHK
2022年2月25日 午前9:00 公開

貯金箱や引き出しに硬貨がたまっていませんか?
あんまり増えると、金融機関に預け入れるとき目減りするかもしれません。

いま、十円玉や百円玉などの硬貨を入金したり両替したりする際の手数料を有料化する金融機関が増えています。1月17日からはゆうちょ銀行でも、預け入れをする際などに枚数に応じて手数料がかかるようになりました。

こうした中で、手数料ができるだけかからないよう工夫する動きが広がっています。

【硬貨取り扱い手数料が広がる背景 詳しい解説記事はこちらから】

割安手数料で “買い物券”に

ゆうちょ銀行が手数料を有料化して以降利用者が急激に増えているのが、たくさんの硬貨を割安な手数料で“買い物券”に換えるサービスです。

横浜市港北区のショッピングモールに設置されたこちらの機械。硬貨の枚数にかかわらず投入した金額の9.9%の手数料で、店内で現金同様に使える“買い物券”に交換することができます。
約1割と聞くと高そうですが、実は金融機関の手数料と比べると割安なことも多いのです。

大量の硬貨を持ってきた30代の夫婦がいました。普段の買い物ではクレジットカードやスマホでのキャッシュレス決済が多く、現金しか使えない場合は紙幣。硬貨の出番はほとんどないといいます。その結果、おつりでもらった硬貨が3か月で200枚近くたまりました。額にして約2,500円

その硬貨を機械に投入して、出てきたレシートに書かれていた金額は2,252円。
手数料は247円でした。ゆうちょ銀行に入金したとすれば101~500枚の手数料は825円なので、その3分の1以下になる計算です。

今回初めて利用したという夫は、「金融機関では手数料が高いし、貯まっている小銭を店舗で簡単に換金できるので楽でいい」と話していました。

一方ショッピングモールでは、機械の設置が売り上げの増加につながっているといいます。

ショッピングモール テナント責任者 朝倉憲一さん 「お買い物のついでに大量の硬貨を持ってきて両替でき、またその両替したお金がお店で使えるというのが非常に利点です。硬貨の両替を目的としたかたが増えているので来客数も増えてきています」

同様の機械は現在、全国のショッピングモールなどを中心に約280台設置されています。設置した企業によると、ゆうちょ銀行で手数料がかかるようになった1月と比べ、利用額は全国で6割以上増えていると話しています。

機械を設置した企業 宇佐美航さん 「ゆうちょ銀行が手数料を有料化して以降の利用者の増加にはとても驚きました。電子マネーなどキャッシュレス化が進むことによって硬貨を持ち歩かない人がやや多くなってきているように感じます。キャッシュレスの浸透が進むにつれてより利用者が増えると見込んでいます」

手間をかけて手数料を節約

手間はかかりますが手数料はかからない方法を選ぶ動きも。
5円玉や10円玉といった、額の小さな硬貨がたくさん集まる神社です。

古くから地域の鎮守として守られてきた横浜市港北区の八杉神社は、今も地元の人たちの手で管理され、さい銭は境内の樹木のせんていや祭りの費用などに使われます。

取材をした日、総代の小谷田作夫さんがさい銭箱から回収した硬貨はおよそ300枚でした。しかし神社の口座がある地元の地方銀行では、一度に100枚を超える硬貨を預け入れると770円の手数料がかかります。そこで小谷田さんは先月から、手数料のかからない100枚ずつを複数回に分けて入金するようにしています。

八杉神社 総代 小谷田作夫さん 「かつては毎月1,500円以上、手数料がかかっていました。参拝された方の気持ちの入ったおさい銭ですから一銭でも有効に活用したいと思っています。入金を小分けにすると時間はかかりますが、氏子さんのため地域のため、惜しまないでやっていきたいです」

地域で助け合って手数料を節約

また別の神社では、地元住民に呼び掛けて無料で硬貨と紙幣を両替する取り組みも行われました。

その名もコインチェンジ。地域の金融機関に手数料を求めるところが増えてきたことから、大阪府交野市にある交野住吉神社が実施しました。さい銭で集まった硬貨を1円から500円まで種類ごとに50枚に束ねて準備し、交換に応じます。

両替にやってくるのは釣り銭用にたくさんの硬貨が必要な地元の商店主など。金融機関で紙幣から硬貨に両替する際に求められる手数料が負担だといいます。両替に来たコンビニ店を経営する男性は、「しょっちゅう銀行に行って手数料を払っているので、大変助かる。さい銭が使われているとご利益もありそうですね」と話していました。

神社の氏子の総代長、祢冝悟(ねぎ・さとる)さんは、この取り組みがきっかけで参拝客が増えることも期待しているといいます。

交野住吉神社 氏子総代長 祢冝悟さん 「神社にとっては預け入れ手数料、商店主さんにとっては両替手数料がいらないウィンウィンの関係かなと思います」

この交野住吉神社の取り組みは好評で、神社がさい銭から準備した硬貨が底をついたことから、始まって1週間あまりで終了となりました。

金融機関の間で相次ぐ手数料の導入。あの手この手でお金を守る動きがこれからも広がりそうです。

(取材 おはよう日本 ディレクター 梅田隆之介/大阪放送局 記者 稲垣雄也)

【2022年2月18日放送】

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