欧米などを中心に報告が相次ぐ「サル痘」の感染者が、7月25日に国内で初めて確認されました。どんな病気なのか、国内での対策はどうなっているのか、いま私たちにできることは何か、まとめました。
(この動画は2分49秒あります)
どんな病気?
サル痘は天然痘ウイルスに似た「サル痘ウイルス」に感染することで起きます。
症状は、発熱・頭痛・リンパ節の腫れ、筋肉痛などです。これらの症状のあとに発疹が出ます。多くは軽症で、自然に回復していくということです。
感染経路は動物を介したケースのほか、感染者の発疹・体液に接触することなどが挙げられています。
世界では欧米など75の国・地域の1万6000人余りに感染が確認されています。WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言しています。
また今回の感染拡大については、男性と性的関係にある男性、特に複数のパートナーと性的関係を持つ人の間で集中的に広がっているとしています。
その一方、密接な接触によって誰もが感染する可能性があるということで、特定グループの病気と捉えずに警戒してほしいとしています。
国内での対策は?
カギになるのは、サル痘と似ている天然痘のワクチンと治療薬です。
WHOによると、天然痘ワクチンはサル痘の感染を防ぐ効果が85%とされています。
現在は国家備蓄されている状況で、厚生労働省は7月29日にサル痘ワクチンとして承認するかどうか審議を始めるとしています。
そして治療薬に期待されているのが、アメリカの製薬会社が天然痘の治療薬として開発した飲み薬です。すでにヨーロッパではサル痘の抗ウイルス薬として承認されています。
日本国内では臨床研究での投与を検討している段階です。
私たちにできることは?
最後に、日常生活で私たちができることは何か。サル痘に詳しい岡山理科大学の森川茂教授に聞きました。
森川教授は「患者が触れた場所に触れると間接的に感染リスクがある。アルコール消毒などの対策が有効」だとしています。
そのうえで、「新型コロナのように飛まつで簡単に感染するウイルスではないので、心配しすぎる必要はない」とも話していました。
(2022年7月26日放送)
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