「やせたい」が止まらない… コロナ禍で増える『摂食障害』

NHK
2021年12月24日 午前5:14 公開

激しいダイエットから心身に不調をきたした経験を告白した動画が計100万回以上再生されている元モーニング娘。の尾形春水(おがた・はるな)さん。「ありのままのあなたがカワイイ」と呼びかけ若い女性の共感を呼んでいます。

尾形さんに関する記事 News Up「やせた私、"個性を手に入れた”と思ってしまった」はこちら

コロナ禍によるストレスなどで、いま摂食障害で受診する若者たちが増えています。あなたの周りの人が、そしてあなた自身がなってしまったとき、どうすればいいか。当事者や専門家に取材しました。

増える若者の『摂食障害』

摂食障害は、食事に関連した行動の異常が続き、心と体の両方に影響が及ぶ病気のこと。
「神経性やせ症(拒食症)」「神経性過食症」「過食性障害」などがあり、やせすぎや栄養障害、嘔吐などの症状によって、命の危険がある場合もあります。
その中でもいま、食事を食べられなくなる「神経性やせ症(拒食症)」が若い女性で増加しています。
国立成育医療研究センターの調べによると、20歳未満の初診外来患者の数が、コロナ前の2019年からおよそ1.6倍になっていることがわかりました。

コロナ禍でなぜ増えているのか

コロナ禍で摂食障害が急速に増えている原因について、数多くの摂食障害の患者を診察してきた、獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センターの作田亮一教授は次のように指摘します。

獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター 作田亮一教授 「元々ここ10年ぐらい10代の摂食障害の女性が増えているのは世界的な傾向ですが、コロナ禍で急速に摂食障害の患者さんが増えていることが報告されています。なぜこんなに増えたのかということに関してまだ結論は出ていませんが、休校や部活がなくなるなどの生活環境の変化、外出が減り運動不足になることを心配したこと、ストレスを感じ何か頑張れるものを見つけようとする人が増えたことなどが原因で発症してしまったり、すでに症状のあった人がさらに悪化してしまったりということが考えられます」

こんなサインがあったら気を付けよう

自分で気づくことが難しいのが摂食障害の特徴です。
そのため、保護者など周りの人はどうすればいいか。そのポイントになるのが下記の項目です。
「体の変化」は、大幅な体重の変化や無月経だけでなく、体内の分泌物が変化することから、産毛が濃くなるなどの症状が現れます。「行動の変化」では、食べているところを家族に見せようとしなかったり、過活動といって、食べることを忘れるように一日中なにかに没頭したりしている様子が見受けられたりします。このような症状がある場合、専門の医療機関につながることが大切です。

一人で悩まないで

自分で摂食障害の疑いがあると思ったら、家族や友人、学校の先生など一番身近な安心できる人に相談し、一体となってサポートすることが治療の大切なポイントだと作田教授は言います。

獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター 作田亮一教授 「摂食障害になった本人は体重が増えることがとても怖くなってくるだろうし、非常に怖がってしまうという状態に陥りやすい。1人で戦うというのはとても苦しいことです。親御さんの中には子どもを責めてしまったり、「育て方が悪かったんじゃないか」、などと自分を責めたりする方も多くいらっしゃいますが、それはまったく違います。病気のせいなので、責めるのではなく、摂食障害そのものと向きあい、家族で理解していくことが大事。家族みんなで支援するぞという姿を見せてあげることが子どもさんが信頼して治していこうという気持ちの芽生えにもなります」

<摂食障害についての情報サイト>
▽NHK健康ch. 子どもの拒食症について なりやすいタイプと原因・症状・治療法

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_342.html

※以下のリンクをクリックすると、NHKサイトから離れます。

▽厚生労働省HP みんなのメンタルヘルス 総合サイト「摂食障害」

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat.html (※NHKサイトを離れます)

▽摂食障害情報ポータルサイト

https://www.edportal.jp (※NHKサイトを離れます)

▽全国の精神保健福祉センター長会HP

https://www.zmhwc.jp/centerlist.html (※NHKサイトを離れます)

(報道局総務部 吉永なつみ)

(おはよう日本 ディレクター 三宅響)

【2021年12月24日放送】