【動画で解説】新型コロナの「飲み薬」 どんな種類・効果があるの?

NHK
2022年8月5日 午後5:28 公開

新型コロナは過去最多レベルの感染が続き自宅で療養する人も急増しています。 

そこで気になるのが、自宅で服用できる「飲み薬」です。どんな薬があり、どういう効果があるのか?科学文化部の安土直輝記者に聞きました。 

(この動画は3分51秒あります)

どんな飲み薬があるのか?

――いま新型コロナの飲み薬は何種類あるのでしょうか? 

新型コロナの飲み薬は世界各国で開発が進められてきました。その中で、現在日本で使用が認められているのは2つ。「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」と「パキロビッドパック(一般名ニルマトレルビル・リトナビル)」です。 

対象年齢は「ラゲブリオ」が18歳以上、「パキロビッドパック」が12歳以上。いずれの薬も軽症~中等症の患者が対象となっています。 

――「これらの薬を飲んだ」という人を周りで聞いたことがないのですが。 

服用できる患者は「高齢者や重症化リスクがある人」に限られているからです。そもそもこれらの薬は、臨床試験の参加対象を高齢者や重症化リスクがある人に限っています。そうした要因がない人については、効果を示すデータが不足しています。そのため服用できないということになっています。 

これらの薬は政府が買い上げて供給しています。投与実績(7月26日まで)を見ると、ラゲブリオ」は政府が160万人分を確保し27万5100人に投与。「パキロビッドパック」は200万人分を確保し1万7600人に投与しています。 

“誰でも服用できる飲み薬”は?

――だいぶ薬が余っているように感じます。服用できるのは高齢者や重症化リスクがある人ということですが、重症化リスクがない人が飲める薬はないのでしょうか? 

日本の塩野義製薬が開発を進めている「ゾコーバ」に期待が集まっています。軽症の段階で使える初めての国産の飲み薬として開発が進められてきた薬で、重症化リスクがない患者にも使うことを目指しています。 

ただ7月20日に開かれた厚生労働省の審議会では「有効性が推定されるという判断はできない」として承認判断が先送りされました。 

この審議会では「胎児に影響が出るおそれがあり、妊娠の可能性がある女性や持病がある高齢者は服用できない」、「オミクロン株の症状に本当に効果があるのか」といった指摘が相次ぎました。 

この製薬会社は9月までに最終段階の臨床試験の結果を速報すると発表していて、秋ごろに改めて審査が行われる見通しです。 

――誰でも服用できる飲み薬が早く実現してほしいと思います。 

愛知医科大学の森島恒雄客員教授は、「重症化リスクが低い人にも使える薬が実現すれば、インフルエンザのような対応が可能になるかもしれない。病気からの回復、あるいは社会への復帰だったり学校への復帰だったりが早くできる。薬を飲みながら待機する。症状に変化があったら病院に行く流れをきちんとつくっていくのが大事」 と指摘しています。

感染の波が来るたびに医療機関の負荷が高まるということが繰り返されています。それに応じて自宅療養者も増える状況です。そうした中、インフルエンザのタミフルのように誰でも飲める薬で症状を和らげることができれば、さらに感染拡大防止に効果がある薬があれば、より安心して過ごすことができます。今後そうした治療薬の登場が待ち望まれます。 

(2022年8月4日放送)

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