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“青天を衝け”主演 吉沢亮さんインタビュー ほぼ全文掲載

NHK
2021年7月16日 午前5:18 公開

大河ドラマ『青天を衝け』がいよいよパリ編へと突入するタイミングで、主演の吉沢亮さんにインタビューしました。
“日本資本主義の父”と呼ばれる渋沢。その生き様に大きな影響をもたらしたのが、パリ万博をはじめとするヨーロッパでの体験です。
吉沢さんが、演じるなかで見えてきた渋沢の魅力を語ってくれました。
聞き手はおはよう日本キャスターの桑子真帆アナウンサーです。

大河は激動の時代 衣装の変化にそわそわ

桑子:よろしくお願いいたします。

吉沢:お願いします。

桑子:ちょんまげ姿の栄一さんもとっても精悍で格好よかったんですけども、装いも髪型も変わると、演じる上での心持ちというのも変わるものなんですか。

吉沢:やっぱりこの袴に慣れてたので、なんかすごくこう、守られてない感じがしちゃって。
袴だと裾が広いから、これを活かした歩き方になるんですけど、やっぱりね、この足がスッと見えている状態でお芝居するとなると、なんかすごく恥ずかしくなっちゃって。

桑子:しっかりズボンに守られていますけれども。

吉沢:そうなんですけどね。守ってはいただいてるんですけど、なかなか気まずいなと思いながら。

大河ドラマ『青天を衝け』では、主人公・渋沢栄一(篤太夫)が主君である徳川慶喜の打診を受けて、慶喜の弟・昭武の随行員の一人としてパリへと向かいます。
そこで渋沢はパリの万国博覧会を見学。ヨーロッパ諸国を歴訪し、見聞きした様々なものに衝撃を受けます。

「栄一の価値観が変わる瞬間」

桑子:吉沢さんの中で、パリでの時間・経験って栄一にとってどんな位置づけだというふうにお考えですか。

吉沢:間違いなく、この物語の中でも、最も栄一の価値観が変わる瞬間はパリのこの万博の話だと思います。
栄一が今まで、血洗島から育って持っている価値観って、生涯そんなに変わっていないんですけど、身分とか関わりなく誰もが己の力を活かせる場で励むべきだっていう考え方を、ずっと栄一は幼い頃から持ってて、それをじゃあ実際どうすれば形になるんだっていう部分を学ぶのが、このパリ編。ふわっとした自分の理想論みたいなものがちゃんとパリでは形になってて、それを日本にも持ち帰らなきゃいけないっていう。
それまでは異国だ異人だと嫌ってたわけですけど、やっぱりいろいろな文明も発展してるし、彼が大事にしなきゃいけない道徳、世界が大事にしなきゃいけない、日本も取り入れなきゃいけない道徳的な部分がパリにはもう根づいているので、そういうものを学ぶところなんだろうなとは思います。

パリでのロケ叶わず・・・「逆に全部印象に残っている」

桑子:ドラマの中でももうカルチャーショックの連続で、栄一がビリビリ刺激を受けているのがよくわかったんですけど、パリで特に印象に残ってるシーンって、これっていうのはありますか。

吉沢:パリ、全部グリーンバックなんで。逆に全部印象残ってますね。グリーンを見ながら、「これがパリか!」みたいな。

当初は現地・パリで撮影するはずだったパリ編。しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本の俳優陣・スタッフは現地へ行くことを断念しました。
パリで渋沢たちが見たであろう、町並みや万博会場。吉沢さんたちはグリーンバック(合成用の緑色の背景)の前で演じたのです。

桑子:パリ万博、実は何にもないところで演じてらっしゃるんですよね。

吉沢:何にもないところに、もう全面緑のところを見ながらすごい感銘を受けてるっていう芝居は、やっぱり大変だなと思いながら。

桑子:やっぱりそうですか。

吉沢:でも正直今の段階だと僕も、そのグリーンバックで撮ったものが今の技術でどう変わっているのかっていうのをまだ観られていないので。それがもうめちゃくちゃ楽しみです。
(インタビュー当日は「パリ編」の初回である22話の放送前でした)

桑子:今その静止画はこうやってご用意しましたけども、いかがですか。

吉沢:いや、こんなになっちゃう?っていう。すごいですよね。

桑子:緑をご覧になってたわけですからね。

吉沢:こんな壮大な景色になってるんだっていうちょっと驚きがあるんですけど。
今静止画だからすごくちゃんとしてるけど、これが映像として成立してるのかっていう不安は絶対ありますよね。

桑子:成立してましたよ。

吉沢:本当ですか。

桑子:しっかり。何の違和感もなく。

吉沢:本当ですか。

桑子:驚くほどに自然でした。

吉沢:楽しみだな。

桑子:その大変だったというお話ですけれど、どのあたりがどう大変だったんですか。

吉沢:奥行きとかも分からないから、どれぐらい壮大な景色が広がってるのかとか、自分の頭の中である程度想像はしてるんですけど、この想像と実際にできる画が、ちゃんとリンクしてるのかとか、いろいろなことを考え出すともう止まらないんで。

桑子:役に没頭できないですよね。

吉沢:そうですね。やっぱりその視覚的な助けがどこにもない状態で、いろいろなものに感銘を受ける、刺激をもらうっていうお芝居はなかなか難しいものがあるなと思いながら。
まあでも、楽しかったですけどね、それはそれで。

桑子:こういう経験って、映画の戦闘シーンなどでもたまにあると思いますが、それと比べて今回のドラマでの経験は違うものですか。

吉沢:そうですね。「仮面ライダー」とかもやっていたし、グリーンバックというもの自体には慣れてはいるんですけど、戦闘シーンもそうですけど、誇張された世界観というか、ある程度、型みたいなものがあるんですけど。(今回の撮影では)リアルな世界観でちゃんとそこに人がいて、そこに起きてる出来事にちゃんと素で反応しなきゃいけない。目の前で起きてることが実際にあれば反応出来るけど、それがない状態で、そこから何かもらうというのは、なかなかない経験だなと思って。

桑子:苦労はあったと思うんですけど、今回パリに行けなかったけれども、逆にこういう良かった点があったって何かありますか。

吉沢:パリに行ってたらスケジュール的に絶対終わってない。実はこの作品に入る前に、別の仕事でパリに行って、僕は渋沢栄一が関わった場所に色々転々と見学に行ったんですけど、当時のものは残ってるんですけど、やっぱり周りがもう、ものすごく進化してるから、これを実際映像で撮るとなると結構色々制限されて難しいだろうなとは思ってたので。これを全部グリーンバックでと割り切って撮ったのは、逆にいろんなものが見せられるし、それはそれで良かったんじゃないかなっていう気はします。

演じながら感じる 渋沢栄一と、役者としての自分の共通点

桑子:栄一の適応力というか順応力、ものすごいものがあるなと、ドラマを見て思うんですけども、役者っていう仕事もそういう意味ではいろんな人たちといろんなチームを組んでやるわけですよね。何かリンクするところっていうのはあったりしますか。

吉沢:ありますね。最初、渋沢栄一という人物で大河ドラマやりますって言われて調べ出すと、いろんな功績を残してて、めちゃくちゃすごい人なんだなという印象が強くて。日本を支えるヒーローを演じるんだって思ってたんですけど、いざ出来上がった台本を読んだり現場でお芝居してみると、栄一がというより、周りの人もすごいんですよね。周りの人が、もうスーパースターばっかりで、そのスーパースターをどこかこう、一般人目線というか、民のひとりとして見ていて、そういう経験とともに成長していく人間なんだなっていうのをものすごく感じていて。
それが今回の栄一を演じている僕のこの現場での居方にもものすごくリンクしてるなという感じがして。周りには、草彅剛さんだったり、堤真一さんだったり、小林薫さんだったり、もうすごい人がいっぱいいて。その人たちのすごい芝居を見てすごく勉強できる、成長できるというか吸収させていただけるものがものすごくある。
この作品を通して自分がどこまで成長できるんだろうとか、何を吸収してどういう役者に変わっていくんだろうとすごく楽しみだし、その現場での(自分の)居方が今の栄一の、この『青天を衝け』の中での栄一の生き方とものすごくリンクしてて、なんだか不思議だなと思いながらやってます。

桑子:撮影も折り返し地点を過ぎていく中で、栄一への印象などは変わってくるものなんですか。

吉沢:やっぱり変わりますね。
いい人を演じようとか、ちゃんとかっこよくやらなきゃという意識はだいぶなくなりました。むしろ、かっこ悪いところこそ栄一の魅力だなっていう。助けてもらって恥かいて、それでも必死にあがくみたいな、その泥臭い人間臭い部分が渋沢栄一の一番の魅力なんだって、やっていくうちに思いました。

桑子:それが先ほどの周りの人に助けてられているっていうところなんですか。

吉沢:そうですね。周りの人に助けられて、周りの人がすごいことをしたのを間近で見て、それを何か受け取って、それをちょっとずつ自分のものにしていって、あそこまで上り詰めた人というか。
だからなんか、ある意味周りのおかげだし、運に助けられてる部分はものすごい大きい人間なんだなっていう。

桑子:その運をきっと逃がさないんでしょうね。

吉沢:そうだと思います。

“当たり前が当たり前でなくなる時代” 勇気をくれる渋沢の生き方

桑子:まさにそのパリでの経験を受けて、いろんなことを吸収して、世のために何ができるかって奔走していくわけですけども、今の世の中を見ても、ちょっと前の常識が通用しなかったり、まさにうごめいている時代だなって感じるんですよね。そういう今の時代に何か栄一の生き様がヒントをくれるようなところってあると思いますか。

吉沢:そうですね。今おっしゃってくださったみたいに、なにか今まで当たり前だったものが当たり前じゃなくなってきて。新しいものを当たり前にしていかなきゃいけないという時代の変化みたいなものは、この作品と今の日本とリンクしてる部分はものすごくあると思うんですけど、そこで、その新しい常識をどう受け入れていくのか。それは人それぞれだと思うんですけど、栄一はそこに柔軟に対応していくし、むしろそれをちょっと喜々として、自ら飛び込んでいってしまう性格なので、何かそういうのって勇気をもらえると思うんですよね、見ていて。

桑子:そうですよね。当時も攘夷派、開国派で真っ二つに分かれていて、今も何かと対立したり、分断って言われますけども、その中で栄一はすごくたくましく生きていくじゃないですか。そこから何か私たちが得られるものもあるんじゃないかなっていうのは思っていて。吉沢さん自身が栄一から刺激をもらったりするところってどんなところですか。

吉沢:自分が間違っていると思ったら素直に謝れるところかなって思います。もちろんそうじゃない瞬間もあるし、自分が間違ってるかもしれないって思っても引くに引けないところまでいっちゃう瞬間もあるんですけど。どれだけ目上の人だろうが、絶対相手の方が間違ってる、絶対自分の方が正しいと思ったら、それを包み隠さず言葉にするし。逆に自分が間違ってるかもしれないって思ったら、素直にそっち側に方向転換できるその柔軟さみたいなものっていうのは、人として羨ましいなと思いますね。

桑子:吉沢さんはそこに、自分もそうなりたいなっていう。

吉沢:なりたいですね。

桑子:なれますか。

吉沢:なりたい(笑)。

これからの見どころ

最後に、吉沢さんから視聴者の皆さんに大河ドラマのこれからの見どころも含めてメッセージをいただきました。

(おはよう日本 ディレクター 西川多紀/山下佳乃)

【2021年7月16日放送】

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