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“機内結婚式”でコロナを乗り切る!~航空業界の模索~

NHK
2021年6月22日 午後1:24 公開

航空業界が挑む“結婚式”

愛を誓い合う新郎新婦。この日挙式が行われたのは…

なんと航空機の中です。新型コロナの影響で旅客需要が激減する中、機体を有効活用しようと企画されました。コロナ禍だからこそ実現した取り組みです。

機内結婚式を挙げた新郎 「夢のような時間でした。最高の時間でした」

機内結婚式を挙げた新婦 「一生の思い出に残る最高一日でした」

“コロナ禍でも稼げるアイデア”=機内結婚式

コロナで大きな打撃を受けた航空業界。結婚式を実施しているANAグループでは昨年度、赤字額が4000億円余りと過去最悪の状況に陥っています。そうした中、航空事業以外に活路を見いだせないか、模索が始まっています。

結婚式のプロジェクトリーダーを務める芳賀一樹さんです。普段は国際線の運賃を決める仕事を行っています。

芳賀さんの企画が実現するきっかけとなったのが、その名も「あきんど魂コンテスト」。

ANAは去年8月、すべての社員を対象に「費用をかけずにもうけるアイデア」を募集しました。

寄せられたアイデアは1600件以上にのぼり、この中からユニークなプロジェクトが次々生まれています。

芳賀さんの提案は、空いている機体や、業務量が激減した乗務員などをいかし、結婚式を行うことでした。

芳賀一樹さん 「海外挙式をできないお客様が結構いらっしゃるということで、機内で式を挙げることで、少しでも海外の気分を味わっていただけるようなそんな企画になるかなと思って」

こだわったのは“航空会社ならでは”

プロジェクトが動き出したのは今年3月。

芳賀さんたちは、同じく苦境にあえぐブライダル会社とコラボし、新しい結婚式を作っていくことになりました。追究したのは、航空会社ならではの演出です。一番のウリは、機体のすぐそばでの記念撮影。

さらに新郎新婦から好評を得たのが、オリジナルの結婚誓約書です。

新郎新婦のサインだけでなく、機長のサインそして、挙式の舞台となる機体番号が記載される一点モノで、特別な記念になると大喜びしていました。

予約枠の倍以上の申し込みが寄せられ、抽選で7組のカップルが式を挙げることになりました。

新婦 「二人が仲良くなったきっかけも旅行や飛行機だったので、結婚式自体やろうとは思ってなかったんですけど、これであればやらせて頂きたいと思って」

実際の結婚式は?

5月末に行われた結婚式では参加したスタッフは総勢50人余り。

参列者の受付や、安全管理など、様々な業務にあたります。

新郎新婦を迎えたのは新型コロナの影響で閉鎖されている国際線のロビー。

これもコロナ禍だからこそできるおもてなしのひとつです。

順調にスケジュールが進んでいたところ、挙式の直前に、一番のウリだったはずの機体のそばでの写真撮影に懸念が…。

「25分後に空港周辺で雨予報が出ている」とリーダーの芳賀さんに連絡が入ったのです。気象情報をモニターしている空港のオペレーションセンターとやり取りしながら、式の進行にのぞみます。

いよいよ式が始まりました。

立会人は機長。

挙式の舞台はビジネスクラス。シートごとの間隔があり、参加者の数も30人以下に絞られるので感染対策にもなっています。

滞りなく式が進んでいましたが・・・

芳賀さんが窓の外を見ると沸き立つ雨雲が。外での記念撮影が難しい可能性も・・・。

そうした中、機内で行われていた結婚式は、いよいよエンディングを迎えていました。締めくくりの演出も航空会社ならでは、です。

客室乗務員による“機内アナウンス風”にお祝いの言葉が贈られました。

「飛行機は出発の準備を整え、力強いエンジンの響きと共に人生の滑走路へと進んでまいりました。お二人の安全飛行と末永いお幸せを乗務員一同心よりお祈りいたします。おめでとうございました」

そして

雨雲は空港を避け、青空も二人の門出を祝福していました。

芳賀一樹さん 「お客様が喜んでいただけて本当にこの企画実現してよかったなって思いますし、コロナまだまだ先行き不透明ですけど、いずれ終息すると思っているのでそうなったときにまた乗っていただけたら嬉しいです」

機内での結婚式、費用は155万円ほどで、挙式一回でANAが得られる利益はごくわずかですが、コロナ禍のいま、会社を挙げて取り組んでいます。今後は反響などを見つつ、状況を見て実施するか決めるということです。

(おはよう日本 アナウンサー 利根川真也)
(おはよう日本 ディレクター 石川理詩)

【2021年6月8日放送】