神木隆之介さん×志尊淳さんスペシャル対談vol.2 第9週&10週を振り返り

NHK
2023年6月9日 午前8:15 公開

高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリー『らんまん』。植物をこよなく愛する主人公・槙野万太郎(まきの まんたろう)が、幕末から明治、大正・昭和の時代を生き生きと駆け抜ける姿を描きます。今回は、万太郎役の神木隆之介さんと、峰屋の番頭の息子・井上竹雄を演じる志尊淳さんとの対談vol.2をお届け。第9週と10週を振り返っていただくうちに、志尊さんの神木さんへの熱いリスペクトの気持ちがあふれ出てきました。

第9週

志尊淳(以下、志尊):(対談vol.1で) 竹雄は東京に来てから万太郎の成長を目の当たりにして、寂しさが芽生えるという話をしたけど、第43回(5月31日放送)の倉木さん(大東駿介)と出かけた万太郎が帰って来なくて心配するシーンは、まさにその感情が出てる。とはいえ、若(万太郎)が自立していく喜びと寂しさが共存してるから、演じててすごく難しいんだよね。

神木隆之介(以下、神木):うんうん。

志尊:万太郎に対して独占欲が生まれるのはだめだと思うから、東京編の演技では竹雄自身の感情を抑えるように気をつけてた。竹雄が自分の感情で動くのは、綾(佐久間由衣)に対して行動するときまで取っておきたいのもあって。

第10週

志尊:第10週では泣きながら気持ちを吐露するシーンがあったけど、あの場面も竹雄の感情というよりは、あくまでも万太郎の立場に立って考えているから涙が出てくるんだよね。万太郎がつらい状況にあることへの悔しさやもどかしさに、遠くへ行っちゃった寂しさが重なるというか。

神木:第47回(6月6日放送)の、万太郎が井戸水をかぶる場面ね。

志尊:台本には「感情をあらわにする」とは書かれてなかったけど、ずっと閉じ込めてた気持ちがあふれ出した。

神木:「泣く」とも書かれてなかったよね。

志尊:うん。でもずっと感情を抑えていると人間味がない気がするから、あのシーンに照準を合わせて演じていこうってもとから決めてたの。

神木:その後の第48回(6月7日放送)で、初めて竹雄に「万太郎」って呼ばれたときはさ、なんか気持ち悪かったな(笑)。ここでは絶対、二人の関係性をいちゃついてるような関係性には見せたくなかったんだよね。竹雄って、どう考えても嫁じゃん! っていう立ち回りだから、友情に見せるさじ加減が難しかった。

志尊:俺は嫁だと思ってたけどな(笑)。

神木:ははは。でもさ、やっぱそこは寿恵子(浜辺美波)を立てないと。

志尊:でも我々(竹雄と寿恵子)はまだヒロインの座を争ってるわけだから、竹雄としては前に前に出なきゃなって(笑)。

神木:確かに(笑)。まぁヒロインが誰かは、視聴者さんが決めることだから(笑)! どのドラマでも、見方や映し方によっては「主役やヒロインじゃないけど、これはこのキャラクターの作品だったな」って感じることがあるしね。

志尊:それも『らんまん』のいいところだと思う。竹雄や綾、タキさん(松坂慶子)の気持ちもそれぞれ追うじゃない。

神木:だから(ヒロイン役は)浜辺って書いてあるけど、全員がヒロイン候補なんだよね。ヒロインはあなたしだい! ということで(笑)。

神木:ちなみに俺、この「万太郎」って呼ばれるシーンは何も考えずに楽しんでやってた。

志尊:隆(神木)はいつもそう言うけどさ。誰よりも一つ前の(シーンを踏まえて)万太郎の気持ちをくみ取りながら演じてるし、緻密だなと思う。

神木:考えてはいない!(同じ放送回のシーンでも撮影日が違うこともあるから)監督に前のシーンについて聞いて、じゃぁ万太郎は今こういう感情なんだ、だとしたらこう動くよね、テンションはこのくらいかな? ってベースを作るの。それをリハーサルで調節するんだけど、本番で相手の反応や動きによって新しい感情も生まれるから、コロコロ変わる。

志尊:現場ではもちろんだけど、完成した映像を見たときに改めて、隆ってすげぇ! と思ったの。万太郎という人物が、隆の力ですごく魅力的なキャラクターになってるのを実感した。やっぱり芸歴28年目なんで、うちの主役。

神木:いやいや、うれしいっす。ありがとうございます(笑)。

  


2分でらんまん
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