万太郎と逸馬には、共通する思いがあるんです

NHK
2023年4月28日 午前8:15 公開

高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリー『らんまん』。植物をこよなく愛する主人公・槙野万太郎(まきの まんたろう)が、幕末から明治、大正・昭和の時代を生き生きと駆け抜ける姿を描きます。今回は万太郎を演じる神木隆之介さんに、第3週と4週を振り返っていただきます。話の途中では、撮影中のほっこりエピソードも飛び出しました。

第3週で、万太郎は胸を高鳴らせながら東京を訪れます。この旅を通して、万太郎の心情はどう変化していったと感じますか?

万太郎の気持ちは大きく変化しましたよね。植物学の先駆者である野田基善先生(田辺誠一)と里中芳生先生(いとうせいこう)に会ったことで、世界の広さを目の当たりにしたと思うんです。感銘を受けつつ、果たして自分にはできるだろうか? という不安も生まれたんじゃないかな。

田辺誠一さん、いとうせいこうさんとの共演はいかがでしたか?

田辺誠一さんとは何度もご一緒しているので、息もぴったりでした。いとうさんは「初めまして」でしたが『ビットワールド』(Eテレ)をずっと見ていたので、僕にとっては身近な存在だったんですよ。お会いできてうれしかったですし、撮影の合間にしゃべりすぎてお互い疲れ果てていました(笑)。

第4週で高知に帰ったあとは、早川逸馬(宮野真守)をはじめとする声明社の面々との出会いもありましたね。

逸馬さんと出会ったことで、万太郎は立場にとらわれず「自由」に生きることの意味を考え始めます。逸馬さんは法的な権利という意味での自由、万太郎は自分の気持ちに正直になって、植物学の道に進む自由。一見追い求めているものは違うように感じますが、二人には共通して「自分はこんなふうに生きていきたい」という気持ちがベースにあると思うんです。だから意気投合したんじゃないかな。

そして、逸馬役がマモさん(宮野真守)でほんとに幸せです。マモさんがいると周りの雰囲気が明るくなるし、いない日はちょっと寂しいんですよ(笑)。

聴衆の前で話すシーンの撮影はいかがでしたか?

練習では言えたのに、本番でみんなの前に立ったら緊張しちゃって、セリフがぜんっぜん出てこなかったんですよ。かんでしまったときに、マモさんがめちゃくちゃ笑ってくれて救われましたね。僕にとって救世主のような存在です。