日本代表10年ぶりの快挙に密着
8月27日(日)「ABUロボコン(アジア・太平洋ロボットコンテスト)2023」が、カンボジアのプノンペンにて開催され、日本代表の“豊橋技術科学大学”が優勝を飾りました!
日本チームの優勝は10年ぶりという快挙🥇
豊橋技術科学大学としては初の世界一となります⚡
学生エンジニアの知恵、技術、そして情熱がぶつかりあう白熱の戦いの記録を、ブログにて振り返ります!
放送は10月9日(月祝)前11:00~11:54 NHK総合。
NHKプラスにて1週間、NHKオンデマンドでも1年間配信します。
👉今年はロボット同士の「輪投げ」ゲーム!
【動画ルールCG】
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今年の課題は、大会開催国カンボジアにちなんで、 「Casting Flowers over Angkor Wat(アンコール・ワットに花々を)」。
世界遺産アンコール・ワットを模した11本のポールに、カンボジアの寓話に登場する「うさぎ」と「ぞう」をモチーフにしたロボット2台が協力して、チームカラーのリングを投げ入れていく戦略的“輪投げゲーム”です。
一見単純と思うかもしれませんが、実はロボコン史上屈指の作戦力が必要になるゲーム。
各ポールで最終的に一番上にある輪が得点になるため、残り時間が少なくなったところでいっきに得点をねらったり、相手の行動パターンを読んで投げ入れる順番を変更したり…また、Vゴールにあたる「チェイヨー」というルールもあり、いかに多くの作戦プランを持ち、臨機応変な操縦ができるかが、勝負の決め手になります。
今年は2019年以来4年ぶりとなるリアル開催となり
13の国と地域から14チームが参加。
💪どのチームも各地の予選を勝ち抜いた強豪揃いです👍
前日テストラン
大会前日に行われたテストランの成績を考慮して行われた予選グループ分けにより、日本チームは優勝経験もあるタイと同じEグループに。
日本が警戒するのは、テストランで唯一、日本よりもはやいチェイヨータイムを記録した中国でしたが、ひとまず予選リーグでの対戦は避けることができました。
各グループの注目校は、
Aグループ:インドネシア=昨年の準優勝校。
Bグループ:中国=テストラン、最速タイムの大本命。
Cグループ:香港=昨年の優勝校。精度が高い。
Dグループ:ベトナム=ABUロボコン最多優勝国。
Eグループ:日本=テストラン2位。
予選リーグ開幕
日本の予選1戦目、対するタイのロボットはペットボトルの空気圧でリングを飛ばす方式を採用し、ゾウロボットには10本のペットボトルを搭載。ロボットの足回りはグリップ力十分の作りになっています。
過去2度優勝し、3度目の優勝を狙いリングを飛ばします!
両チーム1分の準備期間を終え、会場に「3,2,1,GO!」の掛け声が響きます。
日本はタイにつけいる隙を与えぬ速攻とミスリング2本という正確さでチェイヨーを達成!このタイミングでは最速となる20秒での決着でした。
2戦目、日本はタイを21秒という戦績で破り、決勝リーグへ駒を進めました。
予選最速をたたき出したのは中国! 強豪校続々
黒い機体にオレンジの蛍光色が光るゾウロボットで参戦した中国。
最先端の技術を搭載した2つの発射台から繰り出される高速連射でチェイヨーを決め、予選最速となる19秒でチェイヨーを達成し、予選1位で通過!
しかも、ウサギロボットはジャンプを披露。圧倒的な技術力に会場にどよめきが響きました。
昨年優勝を飾り、連覇を目指す香港。
ことしのロボットはスピードよりも安定性を追求したロボット!
ミスなく、確実にポールを捉えていき、危なげなくネパールとエジプトを破り予選4位で通過。
ABUロボコン過去最多優勝を誇るベトナム。
8度目の優勝を狙います。
ウサギロボット、ゾウロボットともにリングの回収から攻撃までが短いのが特徴。
特にゾウロボットは、縦にセットされたリングを一気に拾い上げることができ、瞬時に射出体制にはいることができます!
いよいよ決勝リーグ開幕!!決着は全てチェイヨー
ワイルドカードも決まりいよいよ決勝リーグが決定し、日本チームの初戦は開催地カンボジアチームとの対戦になりました。
警戒していた中国チームとも決勝戦までは当たらない場所で選手たちは少し安堵の表情を浮かべていました。
決勝リーグ日本の初戦
開催国ということもあり、大きな声援を背に入場するカンボジアチーム。アウェイにのまれないように日本の応援にも熱がはいります。
開始直後、マシントラブルから日本のゾウロボットが動かず、カンボジアに先制を許しそうになる展開でしたが、すぐに立て直しチェイヨーを達成しました。日本チームベスト4進出を果たします。
準決勝第1試合は中国VS香港というカードの対戦
圧倒的なスピードを持つ中国(チェイヨー19秒)に対して、
香港はチェイヨー35秒と不利な状態。ところが、開始直後、香港チームは今回のためにとっておきの作戦を用意していました。その名も「チェイヨー封じ」!相手にポールをとられてもどこか一か所を確実に自分のものにすることで相手のチェイヨーを封じ、ミスやリング切れを待ちます。そして、相手にほころびがうまれたら一気に攻め込む!安定性抜群の香港だからこそできる作戦です。
この作戦が見事に成功!連射を続けた中国のゾウロボットがリングを全て消費し、それを確認した香港はあとは確実にポールを捉え、41秒でチェイヨーを達成し見事勝利しました。
日本の準決勝は過去7度の優勝を誇るベトナムとの対決。
ベトナムの猛攻に日本も「チェイヨー封じ」で対抗し、相手のペースが乱れたところで一気にリングを射出していきます。
リングとリングの応酬、ポールの激しい奪い合いが展開されました。
1本のポールに両チームのリングが山の様に重なっていく中、日本チームは着実に「チェイヨー封じ」を行い、ついにベトナムチームのウサギロボットのリングを全て消費させることに成功。ベトナムはリトライを宣言しましたが、その隙を見逃さず1分19秒というタイムでチェイヨーを達成し、日本が勝利しました。見事、決勝進出です!
手に汗握る決勝戦!
決勝に勝ち進んだのは香港チームと日本チーム、1分間の準備時間を終え会場に最後の「GO!」が響きます!
どちらのチームも準決勝を「チェイヨー封じ」で勝利したこともあり、慎重な試合運びを展開します。スピード勝負ではない、作戦勝負。いままでとは異なる決勝ならではのハイレベルな緊張感です。
日本が入れたポールにすぐに香港が上書きをし、それをまたすぐに日本が返してと一進一退、どちらも主導権を譲りません。
試合中盤に、日本が追加のリングを回収するのを見計らい、香港チームもリングの回収を行いましたが、香港はうまくリングを回収することができませんでした。そのチャンスを見逃さず、日本が怒涛の射出を見せ、チェイヨーを達成!見事、10年ぶりの世界一に輝きました!
優勝後、メンバーは
「夢がかなってすごくうれしいです。ここからですよ。次の世代に続いてほしいなと思います。日本が世界で通用するんだなってことをまだまだ、世界に知らしめていきたいと思います」
と喜びを語りました。
豊橋技術科学大学の皆さん、おめでとうございます。
この試合の様子は
10/9(月祝)から1週間はNHKプラスで
また、NHKオンデマンドでもご覧いただけます。
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