落語の大作・名作を“分割”!落語ビギナーも聴きやすい「10分の寄席」
第3回は「木彫りの虎」。旅人の名は左甚五郎。日光東照宮の「眠り猫」や東京・上野東照宮の「登り龍・下り龍」など、各地に彫刻作品をのこす伝説の名工。甚五郎は、木っ端から目を見張るような不思議な作品を生み出し、出会った問題を片づけていきます。嫌な仕事は小判を積まれても引き受けないが、自らの心が欲する仕事なら損得迷うことなく手掛ける。そんな天下の名工が、「ねずみ屋」の親子のために何やらひと肌脱ぐことに。
第2回は「ねずみ屋の由来」。街道沿いの宿屋には、参勤交代の大名などを相手にする「本陣」と、一般向けの「旅籠」がありました。このはなしに登場する「虎屋」と「ねずみ屋」はどちらも旅籠。「虎屋」は本陣並みで「ねずみ屋」は納屋を改造しただけの粗末な宿屋。旅の男は客引きの子どもに誘われて、迷わず「ねずみ屋」に泊まることに。健気に働く子どもの姿に何か感じた旅の男。父親である宿屋の主人に話を聞いてみると…。
第1回は「ちいさな宿屋」。江戸時代、多くの旅人は街道を歩いていました。道中に必要なものは街道沿いの宿場町に用意されていて、そのおかげで旅人は必要最小限の荷物を小さな葛籠に詰め、それを二つ、ひもでつないだ「振り分け」という軽い身なりで安全に旅をすることができました。この「ねずみ」の舞台は、名家・伊達家の御膝元・仙台。東北随一の宿場町を抱えた街道の要衝に、江戸の方角から一人の男がやってきました…。
第3回(最終回)「新たな門出」商いに出た先で、食うに困っていた源兵衛一家を助けた八百屋の平助。一時しのぎにと、売り上げの三百文を置いてきました。そこに現れた長屋の大家は、たまった家賃にと、その三百文を容赦なく取り立てます。源兵衛夫婦は、子どもを残して自ら命を絶ち…。このことを平助に明かしたのは、残された子どもを引き取った、火消しの棟りょう・鉄五郎。人助けする平助の心意気に感心していたのでした。
第2回「火消しの鉄五郎」情けにあつい八百屋の平助。商い先の長屋で会った貧しい一家の様子を目の当たりにして、いてもたってもいられず、売り物の茄子(なす)と手持ちの三百文、そして自分の弁当までそっくり置いて帰りました。それから七日。親子のことが気になった平助が、その長屋に行ってみると、家には「貸家」の札がかかり、人の気配はありません。不思議に思って、同じ長屋の火消しの棟りょうを訪ねたところ…。
第1回「八百屋の平助」舞台は江戸の下町。長屋住まいの八百屋さん。江戸時代から明治・大正までは、大きな店構えを持たず、てんびん棒にざる籠(かご)をぶらさげただけの「棒手振り(ぼてふり)」という商いが盛んで、裏長屋の隅々まで、季節の野菜を売り歩いていました。 ★『人情八百屋』は、もともと講談や浪曲で演じられていたものを落語に翻案したもので、「江戸っ子の理想像」が描かれた作品のひとつです。
古典落語の名作を、連続ドラマ風に分けてお送りする「まいにち10分寄席」。今回は三遊亭圓朝・作の落語「文七元結」の6回シリーズです。出演:立川談慶(立川流落語家)