第2回は「王朝の宮廷女房歌人」と題して、宮廷に仕えた女流歌人たちが詠んだ和歌を通して、当時の日々の暮らしや恋愛模様、そして心の交流などを読み解いていきます。国文学研究資料館館長・渡部泰明さんは、今回3人の歌人を取り上げました。歌集・和泉式部集で知られる「和泉式部」、源氏物語を著した「紫式部」、中古三十六歌仙の1人として有名な「赤染衛門」の3人です。それぞれの歌人の表現力や世界観について語ります。
新シリーズでは平安時代の貴族たちにとっては、交流手段であり、恋には欠かすことができないツールだった和歌を取り上げます。第一回は、醍醐天皇の命により編纂された「古今和歌集」に登場する特徴的な和歌をよみながら、当時の歌人たちの想いを伝えます。国文学研究資料館館長・渡部泰明さんは、目の前にある物を別の物のように見たてて、歌の中で表現する「見立て」という技法にこそ「古今和歌集」の特徴があると語ります。
第4回は歌人・馬場あき子さんが登場します。馬場さんは、たとえ戦争などによって国が滅ぶようなことがあっても、歌や芸能によって「言葉」が守られてさえいれば、人々の「いのち」は失われないと多くの歌を詠んでこられました。特に「いのち」を詠み込んだ歌は、今も人々の心に感動をよび、生きるための力を伝えています。今回は、作品「時々いのちのことを思った歌」を紹介しながら、ご自身の戦争や看取り体験について語ります。
第3回は生命誌研究者・中村桂子さんが生命科学の観点から命について語ります。DNAの二重らせん構造が発見された1953年以降、生命科学の世界は飛躍的に進歩しました。中村さんによる「生命誌絵巻」(HPギャラリーに掲載)を見ると、40億年前の原始の海で生物の祖先細胞が生まれ、そこから地球上のすべての生き物が進化していることがわかります。「共感力」「想像力」などをキーワードに生きることの意味を語ります。
シリーズ第2回は、理論物理学者・佐治晴夫さんが登場します。数学、物理学、天文学、宇宙論を半世紀以上研究してきた佐治さんによると、人間は宇宙の産物であり、宇宙の進化によって形成された存在物であるといいます。また、未来を想像して予測できる能力、「考える」力こそが人間の持つ最大の特徴であると解説します。「メメントモリ」(死を想え)などを引用しながら命について、また今を生きることの意味について語ります。
第1回は聖心会シスター・鈴木秀子さんが、私たちの命が本当に輝き、一人ひとりが幸せになるとはどういうことなのかを語ります。誰の人生にも、必ず辛い事や苦しい事がふりかかってきます。生きる目的を見失った時、どうすればその辛さを克服し、自らの「成長」を促していくことができるでしょうか。鈴木さんは、あるシンプルな考え方をすることで乗り越えることができるといいます。その考え方とは何か?分かりやすく解説します。
第4回「三大一神教の聖典の比較考察」では「旧約聖書」「新約聖書」「クルアーン(コーラン)」の三つの聖典におけるイエス・キリストの位置づけについて比較分析します。三大一神教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の中にイエス・キリストは登場しますが、それぞれにイエス観の違いは存在しています。東京大学教授・山本芳久さんは、三つの宗教間のさまざまな違いを考え、共通点をお互いに認め合うことが大事だと語ります。
第3回「三大一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)入門・原点としてのアブラハム」では、それぞれの一神教の共通点と相違点に着目します。東京大学教授・山本芳久さんは、まず各聖典が成立した時系列が重要だといいます。旧約聖書(ユダヤ教)、新約聖書(キリスト教)、コーラン(イスラム教)の順に成立した聖典の中には、共通に登場するアブラハムという人物がいます。崇敬されるアブラハムの役割について語ります。
第2回「宗教間対話の理論と実践」と題して20世紀以降、活発に行われるようになった宗教間の対話について、様々な神学者や論者の記した著書から考えます。東京大学教授・山本芳久さんは宗教間対話においてその主義は三つの類型に分類されるといいます。「排他主義」「包括主義」「多元主義」の三類型の考え方や主張をあげながら分析し、それぞれの主義同士の対話から浮かびあがってくる問題点をキリスト教を中心に解説します。
新シリーズでは、哲学者で倫理学が専門の東京大学大学院教授・山本芳久さんが「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」の三つの宗教間にある問題について解説します。第一回目は「現代世界における紛争と宗教」と題して、中世哲学の歴史をふり返りながら三大一神教と古代ギリシア哲学との関わりや相互関係について考えます。自分とは異なる宗教的・文化的立場についてバランスの取れた見解を獲得することが重要だといいます。