梅雨末期の天気と、防災面での注意点とは?

NHK
2023年6月23日 午後5:58 公開

出演:日本気象協会関西支社 四国支店 気象予報士

石川 明弘さん

(2023年6月23日(金)放送)

梅雨末期の天気の傾向は?

 四国地方では、平年より7日早い5月29日頃に梅雨入りし、6月2日には高知県で線状降水帯が発生して大雨となりました。
 梅雨期の天気について、気象庁は6月22日の1か月予報で、7月23日までの四国の雨量は、ほぼ平年並と発表しています。ただ、梅雨末期には毎年のように大雨が発生し、今年も梅雨末期には大雨になる可能性がありますのでご注意ください。

梅雨末期の天気の理由・原因

 気象庁は6月9日に、エルニーニョ現象が発生していると発表しました。
エルニーニョ現象が発生すると、四国では梅雨入りの時期が早く、梅雨明けの時期は遅くなる傾向があります。太平洋高気圧の勢力が弱まる傾向も見られます。
 また、今後チベット高原上空の高気圧が強まり、日本付近に西から張り出すと予想されています。そのため南から暖かく湿った空気が、弱い太平洋高気圧の縁を通って四国地方に流れ込みやすく、大雨になる時があると予想されます。

梅雨末期の防災上の注意点

 過去の災害では、避難指示が出ていたけれどすぐに避難をしなかった、ということをよく耳にします。
 災害時には、人間が持っている正常性バイアス・同調性バイアスという性質が、避難の妨げになります。正常性バイアスは、災害の予兆があってもまだ大丈夫と思い込む心理状態です。また、同調性バイアスは、他人と同じ行動をとっていれば大丈夫、まだ誰も避難していないから大丈夫といった心理状態で、どちらも逃げ遅れの原因となります。
 災害級の大雨は、事前に予測できて避難できる現象で、事前の予測が難しく逃げることが難しい地震とは異なります。いつもと違う状態や、避難指示が出た時は、いち早く避難してください。

みなさんに特に伝えたいこと

 51年前の1972年、昭和47年7月5日に、現在の高知県香美市の土讃線繁藤駅前の追廻山で大きな土砂災害が発生しました。家屋や停車中の列車が巻き込まれて、61人が犠牲となりました。
 この時、低気圧に伴う前線が西日本を通過して、繁藤では5日6時には1時間に95.5ミリ、5日9時までの24時間には平年7月1か月分の1.5倍にあたる742ミリという雨が降りました。豪雨で地盤が緩み、早朝から小規模の土砂崩壊が発生していたそうです。
 雨が小降りになってから、朝方の崩落で生き埋めになった消防団員の救出作業を行っていた10時50分頃に大崩落が発生しました。大雨が降りやんでからの土砂災害は、他の事例でも発生しています。
 災害の兆候が少しでも見られたら早めに避難し、雨がやんだあとも絶対に河川や斜面には近づかないで下さい。