地域を支えながら「防災対策」も同時に進める活動とは!?

NHK
2023年9月29日 午後5:58 公開

出演:美波のSORA 会長

浜 大吾郎さん

(2023年9月29日(金)放送)

「美波のSORA」とはどんなグループか?

 私は2008年から防災士として活動していて、「美波のSORA」という地域づくり団体を美波町で立ち上げたのは、2020年11月です。それ以来、さまざまな地域づくり活動を行ってきました。
 私たちの地域では、人口減少や高齢化で、地域の担い手が減っています。
そこで、私たち自身が地域づくりの担い手になりながら地域を災害のリスクから守り、次の世代に継承していこうと、この「美波のSORA」という団体を官学民協働で立ち上げました。メンバーは役場の職員のほか、小学校や大学の先生、地域の住民などで、現在13人で活動しています。
 防災活動については、地域の小学校に出向いて、防災教育を実施しています。地域の震災碑を調べたり、防災カードゲームを行ったり、防災デイキャンプを行ったりしています。こうした防災活動はもちろんですが、高齢者等に対する「生活支援事業」や、行政からの委託を受けて「水道検針事業」も同時に実施しています。

生活支援と防災対策を一体化した活動

 生活支援事業では、普段からちょっとしたお困りごと、例えばゴミ出しや電球の交換、布団干しなどを依頼を受けて手伝っています。また年に1回、地域の75歳以上の高齢者のお宅を訪問し、老化がどこまで進んでいるかをチェックする「フレイルチェック」と、防災の備えの調査を実施しています。
 この調査で「普段から社会参加している人は防災への備えもできている」という傾向が分かったので、私たちは「高齢者のつどい」を定期的に開催し、「フレイル予防体操」と防災啓発を、この「つどい」の中で実施しています。
 災害では、高齢者などの災害弱者が犠牲になることが多いです。そうしたことを防ぐためにも、普段から地域の高齢者や障がい者に気を配って、福祉と防災対策を一体で進めることが重要です。

水道検診は一石二鳥の取り組み

 水道検針業務は、地域のお宅にお邪魔して水道メーターをチェックするものです。地域の人口が減るのに伴って、こうした検針など行政からの委託業務を担ってくださる住民の方々も減っています。一方で水道検針は役場から手数料が出るので、私たち「美波のSORA」にとっては活動の重要な資金になります。
 さらに、水道検針では地域を隅から隅まで歩いて回り、その間に地域の方々と顔を合わせるので、地域の見守りにも繋がります。私たちのこうした活動は町にも認められて、町と見守り活動の協定を締結するまでになりました。

防災と社会福祉の両輪でよりよい町づくりを!

 ほかにも「美波のSORA」では、今年1月(2023年)から、子ども食堂とまではいきませんが、月に1回「キッズカフェ」を開いて、子ども達に無料で手作りのおやつなどを配布しています。この活動には地元の小学生数人が毎回手伝いに来てくれていて、合わせておよそ20人分のまかないランチもつくっています。作業は、いざという時の炊き出しのノウハウを伝える機会にもなっていて、避難訓練などで活かされています。
 こうした活動などを通して、「防災」については「福祉と防災」であったり、「地域づくりの中の防災」であったりと、地域に寄り添いながら対策を進めることが大事だと感じています。私自身も「防災士」の資格だけでは何か足りないと感じ、2年ほど前に一念発起して、通信教育で社会福祉について学び、今年3月「社会福祉士」の資格も取りました。現在は「防災士」と「社会福祉士」の二刀流で活動しています。
 私が暮らす美波町は、高齢化や、南海トラフ地震で最大24メートルの津波が予想されることなどから、過疎化が深刻な問題になっています。「災害に強く、地域住民の方々が住んで良かったと思える美波町」にしていくため、この問題に二刀流で立ち向かっていきたいと考えています。