「防災について知り、地域がつながろう」

NHK
2023年4月28日 午後5:58 公開

出演:香川県防災士会中讃支部

近藤 一夫さん

(2023年4月28日(金)放送)

災害の体験を生かして

 雨が少ないと言われている香川県ですが、昭和51年(1976)9月、一週間に、年間降水量の1,400㎜を超える豪雨があり、死者50人の災害となりました。
 実は、香川でも20年に1回程度は豪雨災害が発生していますが、地震災害を含め災害の伝承が少ないこともあり「災害の少ない香川県」と言われている言葉に危機感を感じています。
 防災・減災は「誰かにしてもらうものではない。各自ができることをする。」をモットーに、善通寺市や丸亀市、多度津町などの中讃地域を活動範囲に活動しています。

幼少期からの防災学習は大切

 今いちばん力を入れている活動が、幼少期からの防災学習です。
日本のどこにいても災害は起こります。災害時に子供が、自ら自分の命を守る行動ができるよう、幼少期から成長に合わせた防災学習を受けることは大切と考えています。
 ある地域の「幼保・こども園キッズ防災教室」では、女性防災士が中心となり「防災紙芝居」などを通して自宅の部屋の中、園内等で一人でいる時や遊んでいる時などでの身を守る方法を教えています。
 また、ある小学校では、学年毎に自宅内・休み時間中・通学中の各場面を想定した防災教育をし、高学年ではもう一歩進めた周囲への気づき・共助の考え方も教えてきました。

ため池の決壊は影響が大きい

 他県の人たちにも覚えておいてほしいこと、それは、ため池の決壊が引き起こす洪水についてです。
 私の住む中讃地域には、日本一のため池・満濃池があります。江戸時代末期に地震が原因で決壊したことは、歴史資料として残されていますが、あまり知られていません。
 決壊すると、影響範囲は、まんのう町だけではありません。満濃池から琴平町の市街地を貫き、丸亀平野を流れて瀬戸内海に注ぐ金倉川に沿った2市3町は影響を受け、およそ2時間後には丸亀・多度津の海岸まで洪水が到達することを知っておいて下さい。
 他のため池も同様に、地震で決壊すると下流では洪水となり、予想外に遠くのため池から洪水が到達することもありますので、ため池ハザードマップにも注目して下さい。
 これは香川県以外の四国のみなさんにも意識しておいてほしいことです。

地域がつながる大切さ

 今後大事になるのは「地域がつながる」ことだと思います。
中讃地域の中央部に香川県内唯一の1級河川・土器川が流れていますが、国交省主導で平成25年(2013)から、流域住民を含む「洪水検討ワークショップ」が開催され、その後も「水害に強いまちづくり検討会」として継続しています。
 その成果は全国に先駆けるもので、想定最大規模ハザードマップや浸水想定アニメーションとなってネット上でも公開されていますので、是非見て下さい。
 これを見ると、この河川の氾濫は周囲の2級河川へと流れ込み、中讃地域全体の3市5町に洪水の影響が広がることを理解してもらえると思います。
 そしてこの検討会では、洪水に限らず全ての災害においても、多種多様な組織・団体が連携して「避難支援体制づくり」「災害に強い街づくり」「人材育成と地域連携の仕組み作り」を目指し、防災をきっかけに地域の課題や活動の意見交換の場も始まりました。
 自治体の境を越えた避難もしやすくなる、などが期待されます。