スタッフFです。来週、4月1日(土)放送のFMシアター『アキといたこと』、主演の野々すみ花さんからメッセージをいただきました。今回はアキという少女と出会う、見習い修業中の美容師という役どころです。
【野々すみ花さん】メッセージ
志織役を演じます、野々すみ花です。
台本を読み終えた時、「あれ?私のこと??」と思ってしまうほど、自分と似ているところがあって驚きました。30歳を過ぎて新たな人生を踏み出し、周りの人が心配するくらい(理解できないくらい?)の情熱でとにかく突き進む様子。そこには自分なりの信念があり、自分なりの選択の決め手がある。だけど迷ったり、自信をなくしたり、空回りしてしまったり・・・。
アキと志織が一緒に過ごした時間。タイトルの通り『アキといたこと』は主人公の志織だけでなく、きっとお聴きくださるみなさまの心に、何かしらの感触が残るものになると思います。
人と人とが交わることは、面と向かってつきあうほど、苦しい時もあるかもしれません。
そもそも違う感性を持った人間同士。だけどその苦しさを乗り越えた先に見える景色は、特別なもののような気がします。お聴きくださるみなさまと一緒に、そんな景色が見られたら嬉しいです。
「青春アドベンチャー」ではヨーロッパを舞台にした歴史ものでお馴染みの野々すみ花さん。しかも大国の女帝や大公妃として政治に辣腕を振るう高貴なスーパーレディの役をお願いすることが多いのですが、今回は昨年のFMシアター『嘘と餃子と設計図』に続いて今の日本に生きる、ご自身の等身大に近い女性をお願いしました。
ほぼ全編がタイトルに名前のあるアキ役の田村芽実さんとのお芝居で、何気ない日常のやりとりを積み重ねて描かれます。今回が初共演のお二方、まるで物語の中の志織さんとアキさんのように、ギュッと集中力を凝らして臨んだ収録の濃密な時間、お互いの呼吸まで感じながら演じて下さいました。
全力疾走で進み、倒れる時は思い切り倒れるタイプのヒロイン志織さんを体現するように、野々すみ花さんの演技は大胆にして細心、繊細にして骨太…といった趣で、収録が進むにつれ田村芽実さんをはじめ共演者の皆さんの心を鷲づかみにしていく様子に、この作品の仕上がりへの手応えを感じました。
『アキといたこと』キャストボイス、次回は田村芽実さんからのメッセージをお届けいたします。
FMシアター『アキといたこと』
~こんな居心地のいい関係が、ずっと続くと思ってた。~
【NHK FM】
2023年4月1日(土) 午後10時~午後10時50分(全1回)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
野々すみ花 田村芽実 彩吹真央
阿部丈二 近江谷太朗 藤松祥子
西井幸人 木津誠之 大月さゆ
【作】
大橋由佳
【音楽】
川田瑠夏
【スタッフ】
技術:林晃広
音響効果:林幸夫
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
30代になって人生を見つめ直し再チャレンジを決意した志織(野々すみ花)は、腕一本で勝負できる美容師を目指そうと美容院で見習い修業中。なかなか一人前になるための技術テストに合格できず、伸び悩みを感じる日々。寮を退出しなければならない期限がせまる中、不動産屋で部屋さがし中に出会った若い女性アキ(田村芽実)とルームシェアをすることになり、世代の異なる2人の新しい日常が始まる。そんなある日、美容室で後片づけをしているところに、アキの「アフターケア」を担当しているという倉橋(彩吹真央)が訪ねてきて……。